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(番外編)名古屋鉄道
目 次
1.名古屋都市圏と名古屋鉄道
2.主要線区別・主要駅の乗車人員数の推移
3.名鉄とJR東海の競合関係
4.名 鉄の連続立体交差事業と高架化
5.名 古屋本線の高速化を考える

金山〜神宮前間の複々線区間を走る特急・名鉄名古屋行き  2011.11

高架化された太田川駅に集う各種列車  2013.8


1.名古屋都市圏と名古屋鉄道  
 拙web「都市と民鉄」においては、基本的に三大都市圏の大手民鉄を取り上げない方針であることは、最初に述べた通りである。しかし実は、「名鉄」に関 しては静岡県西部で生まれ育った私にとっては格別の想いがある大手民鉄であり、今なお何かにつけて気になる存在であり続けている。そこで、番外編という形 で、名鉄を採り上げることにした。
 愛知県全域と岐阜市周辺に路線網を広げる名鉄であるが、その路線網全体が名古屋都市圏(中京圏)≠形成していると言っても過言ではあるまい。そして 基本的に全ての路線が名古屋を志向≠オたダイヤを組んでいると言えよう。しかしその一方で、首都圏における東京、関西圏における大阪ほど中京圏内におけ る名古屋への集中は著しくはなく、都市圏内の豊橋や豊田、岐阜などはそれぞれ独自の都市圏をも形成している。三大都市圏の中では人口が最も少ないことと、 そのような名古屋への集中度が低いこと、更に自動車交通が相対的に便利なこともあって、名鉄を含む鉄道輸送への依存度が首都圏や関西圏と比べて格段に低い のが中京圏の特徴である。そのため名鉄の輸送密度は、大手民鉄の中では最下位に位置しており、名古屋本線ですら各駅停車ともなると日中2両編成で走ってい たりして、大手民鉄らしからぬ輸送実態が垣間見られる。
 但し名古屋本線は国鉄時代から並行するJR東海道本線との競争もあり、レベルの高いサービスを提供してきた。また中部国際空港への鉄道アクセスは名鉄が 独占しており、貴重なドル箱路線となっている。JRとの競争に対して全般的に名鉄が劣勢に立っているところが辛いのだが、中京圏に網の目のようなネット ワークを形成している点が名鉄の強みである。JR東海の中京圏の路線網は、首都圏や関西圏のJR線と比べるとネットワーク性が貧弱であり、あくまでも「都 市間輸送」に活路を見出している感がある。しかしそれでも名鉄とJR東海の競合関係は各所で見られ、個人的には非常に興味深いテーマなので、詳しく掘り下 げていきたいと思う。

■愛知県主要都市及び岐阜市、各務原市の人口推移

1985 年10月
1990 年10月
1995 年10月
2000 年10月
2005 年10月
2010 年10月
(名 古屋市)
2,116,381
2,154,793
2,152,184
2,171,557
2,215,062
2,263,894
(豊 橋市)
322,142
337,982
352,982
364,856
372,479
376,665
(岡 崎市
284,996
306,822
322,621
336,583
354,704
363,743
(一 宮市
257,388
262,434
267,362
273,711
281,155
287,618
愛 知県 小計
6,455,172
6,690,603
6,868,336
7,043,300
7,254,704
7,410,719
岐 阜市
411,743
410,324
407,134
402,751
399,931
399,745
各 務原市
124,464
129,680
131,955
131,991
134,117
134,951
合  計
6,991,379
7,230,607
7,407,425
7,578,042
7,788,752
7,945,415
(総務省『国勢調査』より作成 ※は合併前の市域人口)


2.主要線区別・主要駅の乗車人員数の 推移  
 主要線区別・主要駅の乗車人員数の推移を纏める。基本的に準急以上が停車する駅は全て掲載することとし、各駅停車のみ停車の駅も乗車人員数によっては掲 載した。

@名古屋本線


■ 名鉄名古屋〜豊橋
駅 名
営業`
1990年度
1995年度
2000年度
2005年度
2010年度
名鉄名古屋
0.0
189,128
171,106
143,346
142,469
133,442
金 山
3.6
57,669
69,238
59,785
70,050
72,178
神宮前
5.8
29,862
26,390
19,652
16,495
14,987
堀 田
6.9
9,427
8,388
6,896
6,754
6,522
本笠寺
9.8
4,242
3,290
2,472
2,153
2,193
鳴 海
12.9
13,148
11,477
9,247
8,640
9,147
有 松
15.3
6,336
5,997
5,707
5,872
6,502
中 京競馬場前
16.6
6,171
5,955
4,465
4,622
4,345
前 後
18.2
9,042
10,170
9,548
10,148
9,757
豊 明
19.9
1,951
1,825
1,773
1,791
2,004
知 立
24.9
19,573
18,670
16,660
15,571
14,997
新安城
29.7
8,739
8,115
7,757
8,527
8,915
矢作橋
35.5
2,529
2,535
2,458
2,805
3,014
東岡崎
38.2
21,450
21,900
19,763
18,997
18,034
男 川
40.4
792
932
941
1,120
1,510
美 合
42.4
4,724
4,529
4,020
3,891
3,696
藤 川
44.9
2,576
2,730
2,343
2,311
2,194
本 宿
49.3
2,945
3,320
2,968
3,005
2,572
国 府
58.4
5,735
5,473
5,023
4,863
4,672
伊 奈
63.0
1,804
1,712
1,504
1,476
1,445
豊 橋
68.0
18,896
19,343
16,773
17,336
16,499
(『愛知県統計年鑑』より作成)
■ 名鉄名古屋(再掲)〜名鉄岐阜
駅 名
営業`
1990年度
1995年度
2000年度
2005年度
2010年度
名鉄名古屋
0.0
189,128 171,106
143,346
142,469
133,442
栄 生
1.9
5,242
4,676
4,385
4,845
4,839
東枇杷島
2.7
2,733
2,750
2,821
2,659
2,791
二ツ杁
4.2
2,308
2,190
1,890
1,448
1,287
須ケ口
5.5
5,885
5,363
4,584
4,433
3,828
新清州
7.2
3,957
3,843
3,492
3,474
3,763
大 里
9.5
2,262
2,181
2,028
1,937
1,878
国府宮
12.9
14,453
14,734
11,865
11,615
10,371
名鉄一宮
18.4
21,755
19,910
17,067
17,192
16,184
新木曽川
23.2
4,292
3,650
2,898
2,681
2,662
笠 松
27.1
4,795
4,103
3,639
3,263
3,170
名鉄岐阜※
31.8
23,067
19,737
14,885
13,894
11,986
(『愛知県統計年鑑』及び『岐阜県統計書』より作成) ※ 名古屋本線のみ

A西尾線


B三河線


C豊田線


D常滑線・空港線 E河和線

■ 常滑線/空港線(豊田本町〜中部国際空港)
駅 名
営業`
1990年度
1995年度
2000年度
2005年度
2010年度
豊田本町
1.4
2,376
2,465
2,201
2,053
2,081
道 徳
2.4
3,294
3,380
2,812
2,590
2,475
大 江
3.8
3,088
2,767
2,233
2,461
2,510
大同町
5.3
5,711
5,697
5,006
5,423
5,617
柴 田
6.1
3,698
3,516
2,774
2,664
2,364
名 和
7.5
2,637
2,869
2,512
2,483
2,373
聚楽園
9.7
2,321
2,254
1,999
2,226
2,365
新日鉄前
10.6
1,411
1,694
1,121
1,143
929
太田川
12.3
8,797
8,214
6,802
6,661
6,610
尾張横須賀
13.7
2,490
2,732
2,537
2,623
2,531
寺 本
15.1
1,820
1,926
1,958
1,842
1,658
朝 倉
16.4
3,923
4,237
3,568
3,702
3,773
古 見
17.3
1,503
1,570
1,463
1,451
1,412
新舞子
22.5
2,253
2,540
2,352
2,410
2,515
大野町
24.1
2,474
2,281
1,635
1,556
1,409
常 滑
29.3
4,926
4,974
4,480
5,251
4,931
りんくう常滑
30.9



141
205
中 部国 際空港
33.5



13,922
10,417
(『愛知県統計年鑑』より作成)
■ 河和線/知多新線(高横須賀〜河和/内海)
駅 名
営業` 1990年度
1995年度
2000年度
2005年度
2010年度
高横須賀
13.6
1,094
989
1,209
1,301
1,337
南加木屋
16.4
4,388
4,427
3,811
3,598
3,485
八幡新田
18.2
1,179
1,250
1,184
1,062
1,087
巽ヶ丘
19.4
3,700
4,199
4,048
3,734
3,303
阿久比
22.9
2,340
2,579
2,371
2,244
2,552
住吉町
26.3
2,572
2,472
2,661
2,729
2,823
知多半田
27.1
8,977
8,100
6,441
5,528
5,572
成 岩
28.1
1,421
1,339
1,204
1,163
1,162
青 山
29.1
1,711
2,641
2,691
2,704
3,003
知多武豊
32.1
4,594
4,073
3,344
2,913
2,887
富 貴
34.6
1,180
1,189
1,007
895
952
河 和
41.1
2,927
2,737
2,434
2,462
2,328
知多奥田
42.7
3,888
3,517
3,149
3,147
2,846
内 海
48.5
1,407
1,283
1,021
894
816
※営業`は神宮前からの営業`
(『愛知県統計年鑑』より作成)


F瀬戸線


G犬山線  H各務原線


駅 名
営業`
1990年度
1995年度
2000年度
2005年度
2010年度
下小田井
4.3
1,834
2,101
1,904
1,779
1,621
中小田井
5.7
2,759
2,039
1,645
1,533
1,557
上小田井
6.8
1,678
4,871
6,526
7,292
8,656
西 春
9.2
10,399
12,203
12,655
10,935
10,696
徳重・ 名古屋芸大
10.6
4,746
5,394
4,675
4,666
4,838
大山寺
11.4
470
874
1,075
1,018
954
岩 倉
13.0
15,429
15,437
13,516
11,936
11,350
石 仏
15.1
1,508
1,703
1,536
1,464
1,540
布 袋
17.5
3,993
4,219
4,381
4,211
3,893
江 南
19.5
14,506
14,339
13,037
12,506
12,198
柏 森
22.3
5,105
5,186
4,681
4,608
4,545
扶 桑
24.5
2,751
2,854
2,949
2,941
2,979
木津用水
25.9
863
1,076
1,019
999
955
犬山口
27.3
463
445
408
476
620
犬 山
28.2
10,194
11,033
9,193
8,553
7,692
犬山遊園
29.4
1,566
1,372
1,119
890
724
新鵜沼
30.1
6,084
5,949
4,641
4,326
4,043
(『愛知県統計年鑑』及び『岐阜県統計書』より作成)

I小牧線



3.名鉄とJR東海の競合関係  
 自動車分担率の高い中京圏においては本来、「本当の競争相手は車」であり、「鉄道事業者間で競争していても意味が無い」(名鉄幹部)のだが、結果的に競 争があることで双方のサービス水準が高くなり、利用者へのメリットとなっている筈である。しかしJR東海道本線と競合する名古屋本線、特に名古屋〜岐阜間 は名鉄が一方的に劣勢となっている感がある。対名古屋については、名鉄はJRよりも高くて遅い≠ニいう立場に追い込まれている印象である。ちょうど山陽 電鉄の姫路〜神戸・大阪間におけるJR西日本との競争関係に似ているが、印象だけでなく実際にどうなのか区間ごとに詳しく調べてみることにする。

 まずは名鉄・名古屋本線とJR東海道本線の主要駅の乗車人員数の推移を比較してみる。
■ 名鉄・名古屋本線

1985年度
1990 年度
2000 年度
2010 年度
豊  橋
20,356
18,896
16,773
16,499
国  府
4,897
5,735
5,023
4,672
東 岡崎
23,102
21,450
19,763
18,034
新 安城
8,707
8,739
7,757
8,915
知  立
20,256
19,573
16,660
14,997
神 宮前
29,478
29,862
19,652
14,987
金  山
41,702
57,669
59,785
72,178
名 鉄名古屋
193,228
189,128
143,346
133,442
名 鉄一宮
28,085
21,755
17,067
16,184
名 鉄岐阜※
37,557
23,067
14,885 11,986
(『愛知県統計年鑑』及び『岐阜県統計書』より作成)
※1985年度のみ各務原線の乗車人員を含む
■JR 東海道本線

1985年度
1990 年度
2000 年度
2010 年度
豊  橋
21,667
25,298
25,706
26,496
蒲  郡
8,363
7,154
6,634
7,263
岡  崎
5,737
8,193
11,541
16,415
安  城
6,219
7,883
9,602
10,716
刈  谷
10,349
15,755
19,821
28,071
大  府
8,301
10,023
11,115
12,712
金  山

29,364
44,897
56,291
名 古屋
94,627
136,372
167,642
187,624
尾 張一宮
5,816
14,539
23,515
26,255
岐  阜
16,924
23,418
27,822
30,101
(『愛知県統計年鑑』及び『岐阜県統計書』より作成)

 傾向としては明らかに名鉄が全般的に減少傾向にある一方で、JR東海は各駅とも増加している。特に岡崎、刈谷、金山、尾張一宮の各駅の伸びが著しい。象 徴的なのは、かつて名鉄名古屋駅(新名古屋駅)が、JR名古屋駅を凌駕する乗車人員数を誇っていたことだ。線路がたった2本とホームが3面しかない名鉄・ 新名古屋駅が、新幹線を含めてホームが8面(17番線)まである広大なJR名古屋駅を上回る利用者を捌いていたという事実に改めて驚愕せざるを得ない。し かしそのような栄光の時代は過ぎ去り、そもそも名鉄自身も新名古屋駅への一極集中を緩和するために副都心駅≠ニして「金山総合駅」の育成に注力し、利用 者を分散させることに成功したので、名鉄名古屋駅の利用者が減ったことを殊更に嘆く必要はないとも言える。だが、しかし名鉄・名古屋本線の主要駅が軒並み 利用者を減らしているという事実は、JR東海道本線と比較するとより一層、名鉄の苦境を浮き彫りにしている感を強くする。

名鉄・神宮前駅の横を疾走するJR東海・新快速  2009.4

名鉄・堀田駅を通過する快速特急・豊橋行き  2011.11


@名古屋〜豊橋間

名  古 屋 鉄 道
J  R 東 海
区  間
名 鉄名古屋〜豊橋
名 古屋〜豊橋
営 業キロ
68.0km
72.4km
運  賃
1,080 円
1,280 円
所 要時間
快速特急:50分(表定速度:81.6km/h)
特急:53分(表定速度:77.0km/h)
新快速:50分(表定速度:86.9km/h)
快速:54分(表定速度:80.4km/h)
日 中の
運転頻度
快 速特急:2本/時
特急:2本/時
急行:2本/時
新 快速:2本/時
快速:2本/時
普通:2本/時
(2013年9月現在)


A名古屋〜岡崎間
B名古屋〜安城間
C名古屋〜笠寺間
D名古屋〜枇杷島間
E名古屋〜稲沢間
F名古屋〜一宮間
G名古屋〜木曽川間

H名古屋〜岐阜間

名  古 屋 鉄 道
J  R 東 海
区  間
名 鉄名古屋〜名鉄岐阜
名 古屋〜岐阜
営 業キロ
31.8km
30.3km
運  賃
540 円
450 円
所 要時間
快速特急:30分(表定速度:63.6km/h)
特急:30分(表定速度:63.6km/h)
新快速:20分(表定速度:90.9km/h)
快速:20分(表定速度:90.9km/h)
日 中の
運転頻度
快 速特急:2本/時
特急:2本/時
急行:2本/時
新 快速:2本/時
快速:2本/時
普通:4本/時
(2013年9月現在)

I名古屋〜半田間
J名古屋〜武豊間
K岐阜〜各務原間
L岐阜〜鵜沼間


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