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遠州鉄道
本 社所在地
浜 松市中 区旭町12-1
設    立

昭和18年11月1日

資 本金
38 億円
公 式webサイト
http://www.entetsu.co.jp/
目  次
1.遠州鉄道と浜松都市圏
2.遠州鉄道の利用状況
3.遠州鉄道の高架化
 @新浜松〜助信間の高架化
 A助信〜遠州上島間の高架化
 B遠州小林〜遠州芝本間の高 架化
4.遠州鉄道の天竜地区乗り入れ
5.遠州鉄道沿線の開発

新浜松駅 2012.1

浜松の都心部を単線電化の高架橋が延びる 第一通り駅 2012.1

1.遠州鉄道と浜松都市圏  
 静岡県西部の中核都市「浜松市」は2007年4月に政令指定都市に昇格し、名実共に大都市の仲間入りをした。浜松市は三大都市圏以外の非府県庁所在 地としては北 九州市に次ぐ80,0912人(2010年10月現在)の人口を有し、古くから楽器・オートバイ・自動車などの工業都市として活況を呈してきた。私は 静岡県西部の掛川市出身ということもあり幼少時代の最も身近な大都市として浜松に対して今でも親近感を持っている。
 その浜松市の南北を縦貫している民鉄が遠州鉄道(遠鉄)で、単線ながらも早朝深夜を除き終日片道12分間隔で運転を行っており、地方民鉄としては屈指の 利便性を誇っている。そのため現在でも輸送人員はピーク時と同水準を維持しており、その点も地方民鉄としては希有だ。
 そしてその遠鉄が都市型鉄道≠ナある象徴は高頻度運転のダイヤだけでなく、浜松市内の都心部が延々と高架化されていることである。その高架化(連続立 体 交差 事業)は2013年には更に延伸工事が完了し起点の新浜松駅から約5km、7駅全てが高架駅になった。またそれとは別に国道のバイパス 工事に伴って交差する部分の短距離であるが高架化が行われるなど浜松 都市圏の都市化によって遠鉄の近代化が着実に進行していて、遠鉄と浜松都市圏の良好な関係≠感じさせるものがある。
 静岡市と浜松市は同じ県内にありながら都市規模が似通っていて、何かと比較し比較されるのだが、民鉄的にも静岡鉄 道と遠州鉄道は共に地方民鉄としては有数の高頻度運転を行って 高水準の輸送人員を維持しているなど共通点があり、良きライバルという感がある。ただ静鉄は全線が複線で連立事業による高架化などは無いのに対して遠鉄は 全線単線だが都心部が高架 化されているという大きな違いもある。また両鉄道ともかつては複数の鉄道線を有したものの現在は1線しか残っていないところは共通点するが、遠鉄は静鉄と 違ってJR線と並行し競合 するという関係にはない。
 そして両鉄道とも静岡と清水、浜松と浜北という合併した都市同士を結ぶ鉄道で、その都市圏が持つ一体感を長年に亘って醸成させて きた役割を果たしているように思われる。それは民鉄という地域密着型の鉄道だからこそ、そういった役割を担えたように個人的には思える。JR線(国鉄線) で 結ばれ るだけの都市間と民鉄が(も)結ぶ都市間には何か大きな違いがあるように感じる。このことは合併によって浜松市内で完結するようになった遠 鉄や同様に市内で完結する静鉄を見るにつけ特に感じられる。

 浜松市の人口80.1万人(2010年10月)に対し静岡市の人口71.7万人(同)なので、自治体としての人口は浜松の方が多いのだが都心部の商業集 積という面では静岡市が数段優っている。JR静岡駅から静岡県庁にかけての都心部は、地方都市としては珍しく今なお周辺部から多くの人を集めるだけの商業 集積を維持している。百貨店は松坂屋、伊勢丹の2店舗があり、他にも主な商業施設として丸井、パルコ、新静岡セルバ、パルシェなどが存在。中心商店街も シャッター通りと化しておらず人通りが多く活気がある。このような都心部の賑わいは熊本市の都心部と通ずるものがある。
 一方の浜松市は対照的に都心部の活力低下に長年悩み続けている。近年の浜松市都心部における商業関係の出来事を纏めると以下の通りだ。

年 月
事   項
1988年5月
JR浜松駅ビル「メイワン」が開業
1988年9月
遠鉄百貨店が開店
1990年10月
遠鉄百貨店が増床
1994年4月
市街地再開発事業の「ビオラ田町」が開業
1994年7月
丸井浜松店が閉店
1994年8月
浜松アクトタワーが開業
1997年12月
西武百貨店浜松店が閉店
2000年11月
西武百貨店浜松店跡地にザザシティ浜松西館が開業
2001年11月
松菱が自己破産宣告を受け倒産
2001年11月
西武百貨店浜松店跡地にザザシティ浜松中央館が開業
2004年4月
遠鉄百貨店が別館「UP-ON」を開店
2006年5月
ビオラ田町の核テナントの上新電機が撤退
2007年2月
イトーヨーカ堂浜松店が閉店
2011年11月
遠鉄百貨店新館が開店
2012年2月
浜松モールプラザサゴーが閉店


2.遠州鉄道の利用状況  

■遠州鉄道各駅の1日あたり乗車人員数の推移

営 業`
1985 年度
1990 年度
1995 年度
2000 年度
2005 年度
2010 年度
2011 年度
新 浜松
0.0
4,959
6,934
8,232
7,884
7,772
7,217
7,328
第 一通り
0.5
659
1,733
1,374
1,401
1,223
1,304
1,269
遠 州病院前
0.8
1,324
689
650
725
773
861
856
八  幡
1.6
727
865
771
1,007
999
1,072
1,061
助  信
2.4
1,212
1,585
1,537
1,309
1,245
1,167
1,154
曳  馬
3.4
812
1,275
1,273
1,323
1,184
1,174
1,192
上  島
4.5
817
1,182
1,347
1,352
1,532
1,514
1,523
自 動車学校前
5.3
905
1,229
1,227
931
882
870
869
さ ぎの宮
6.6
844
954
1,009
944
962
993
986
積  志
7.8
742
890
965
911
890
838
830
遠 州西ヶ崎
9.2
716
878
770
797
774
719
714
遠 州小松
10.2
1,196
1,267
1,399
1,334
1,213
1,067
1,022
浜  北
11.2
1,593
1,463
1,187
1,159
1,245
1,428
1,413
美 薗中央公園
12.0
456
678
820
850
935
976
954
遠 州小林
13.3
844
1,010
1,117
1,231
1,212
1,297
1,257
遠 州芝本
15.0
546
683
683
668
633
626
616
遠 州岩水寺
16.3
485
589
559
509
434
409
401
西 鹿島
17.8
1,403
1,524
1,499
1,572
1,453
1,435
1,415
(『静岡県統計年鑑』より作成、1985年度の第一通り駅は馬込駅との合計から平均を算出)


3.遠州鉄道の高架化  

 遠鉄を大きく特徴づけている高架化について、施行された区間ごとに纏めてみた。

@新浜松〜助信間の高架化  
 1985(昭和60)年12月1日に新浜松〜助信間が高架新線に切り替えられた。これに伴い新浜松〜遠州馬込〜助信間が廃止されスイッチバックが解 消された。
また遠鉄浜松駅を遠州病院前駅、遠州八幡駅を八幡駅、遠州助信駅を助信駅にそれぞれ改称され、新浜松〜遠州病院前間に第一通り駅が新設された。スイッ チバックの解消による営業キロの短縮により、新浜松〜西鹿島間の所要時間が40分から36分に短縮された。
 このようにこの区間の高架化は単に踏切除去という道路交通サイドの効果だけではなく、スイッチバック解消によるスピードアップという大きなプラス効果が 遠鉄にもたらされ、その後の遠鉄の堅実な発展に繋がったという意味でまさにエポックメイキングな出来事であったと言えるだろう。
 実際、輸送人員数の実績を見ても昭和50年代は年々減少傾向にあったものが、新浜松〜助信間の高架化が完成した1985(昭和60)年度を境にプラスに 転じ1993(平成5)年度には1984年度に対して32.4%増の977.1万人/年に達した。その後も輸送人員はほぼ横這いを維持している。

新浜松駅〜第一通り駅間の並行する道路は一方通行の狭い道 2012.1

第一通り駅 近代的な外観が印象的 2012.1
 遠鉄の高架線はこの辺りは複線分の橋脚が確保されているようにも見える。その上に単線分の橋桁が載っているので、ややアンバランスにも見える。
 またこの付近(地図)は高架下が遊歩道として整備されており、高架線沿い も緑地 帯となっていて並行する道路は一方通行の狭い道だ。そのためクルマの通行は少なく歩行者中心の都心の繁華街らしい空間として整備されている。


遠州病院駅 2012.1

遠州病院駅 2012.1
 遠州病院駅付近(地図)は浜松土木事務所や浜松合同庁舎などの官公庁やヤ マダ電機などの商業施設があり、まだ都心部といった雰囲気。


遠州病院〜八幡間の風景 2012.1

遠州病院〜八幡間にある八幡町交差点  頭上を遠鉄が跨ぐ 2012.1
 六間通りと広小路の交差点が「八幡町」交差点(地図)だが、これ以北は 遠鉄の高架線沿いに片側2車線の幹線道路(電車通り)が並行し始める。この辺からは都心の外縁部、郊外の雰囲気が漂い始める。


電車通りの真上に設けられた八幡駅 左の建物はヤマ ハ 2012.1

八幡駅 2012.1
 八幡駅はヤマハ本社工場に隣接した場所(地図)にある。


A助信〜遠州上島間の高架化  


遠州鉄道・高 架工事について
浜 松市・遠州鉄道鉄道線連続立体交叉事業
▼遠州鉄道鉄道線の高架事業 分断地域の一体化整備を図る
(2010年1月6日『建通新聞社』)

 浜松市中心部と天竜区西鹿島を南北に結ぶ遠州鉄道鉄道線−。鉄道によって分断化された地域の一体的な整備を図るために高架化を中区助信駅〜馬込川付近の 鉄道線連続立体交差事業の第2期と国道152号浜北天竜バイパス整備の関連事業として浜北区新原で高架化が進めている。助信駅〜馬込川付間の第2期では、 2010年度から上部工の未発注区間や駅舎の建築設備などを進める。

【助信駅〜馬込川付近の鉄道線連続立体交差事業第2期】
 中区助信駅〜馬込川付近の鉄道線連続立体交差事業第2期では、市街地を通る道路と、交差する遠州鉄道の立体交差を行い、踏切を除去することによる道路交 通の円滑化と、鉄道によって分断化された地域の一体的な整備を図るために整備を進めている。
 遠州鉄道鉄道線の高架は、第1期として1985(昭和60)年12月に新浜松駅から助信駅までの約2.6キロ区間の高架化を完了。現在整備を進めている 第2期はこの延伸部となる馬込川付近までの約3.3キロの高架化となる。
 第2期の区間で立体交差する道路は都市計画道路(市道)3路線、その他の市道14路線の計17路線、除却できる踏切は21カ所となる。1998(平成 10)年度に連続立体交差事業の新規着工準備個所として採択された。2002年6月に都市計画決定され、その後、都市計画変更を経て2004年11月に事 業認可を受けて、同年に工事着手した。
 現在、工事が行われている区間のうち八幡駅以北〜上島駅間は、車道と並行して高架化が進められている。完成後は車両のスムーズな通行を図るため、両側車 道に対して中央分離帯に遠鉄高架が設置される形となる。また、上島駅から以北は並行する車道はなく、住宅密集地を抜けることから狭い場所での工事が強いら れる。そのため、十分な作業スペースが確保できないなどの理由により、既存線路東側の緑道へ敷く仮線設置が遅れていた。このような経緯から、2010年と 予想していた完成年度が2013年度に延期された。
 同事業は県が2004年度から着手。2007年度、政令指定都市移行に伴い浜松市が事業委譲した。
 第2期の助信駅〜馬込川付近間では、2009年度で下部工の発注がすべて完了し、2010年度から上部工の未発注区間となる上島駅北側の上部工(延長 450メートル)、馬込橋上部工(64メートル)や曳馬駅北側から上島小学校間の上部工(延長150メートル)に着手するほか、助信駅、曳馬駅、上島駅の 駅舎建築設備を順次整備していく予定。2011年度からは、軌道などの鉄道施設の整備を進め2012年度中の供用開始を予定している。供用後に、現鉄道施 設を撤去し、2013年度中の事業完了を目指している。
 同計画は、遠州鉄道線駅周辺地区の都市部に交通至便な立地条件にあることから、@無秩序な市街化の進行A鉄道による地域分断B土地利用の混在による生活 環境の悪化C道路が狭く防災上問題点がある−などさまざまな課題を抱えている。
 これら問題点の改善策の1つとして、遠州鉄道に沿った(都)有玉南中田島 線と鉄道高架化を一体的に整備することで、東西都市計画道路の整備促進を 図り、地区内の生活道路における通過交通を減少させ交通の整流化を図る。また、沿道を利用した土地利用の誘導や駅舎の再建に合わせ、土地区画整理事業や駐 輪場の充実などにより、駅周辺整備を進め、都市的イメージへの転換によって地区サービスの集積が可能になる。
 事業の効果としては、安全性(踏切事故がなくなり地域住民などの通勤・通学や日常生活が安全になる)、利便性(踏切遮断による渋滞が解消され、東西方向 の 交通がスムーズにかる。また幹線道路の整備により道路ネットワークが充実する)、快適性(駅アクセスの東西不均衡が改善され、地域の一体的なまちづくりが 可能になる)−が改善される。
 また、遠州鉄道鉄道線連続立体交差事業に合わせて、道路関係では(都)有玉南中田島線は(都)中ノ町都田線(柳通り)から(都)下石 田細江線との間の延長2.5キロは、現鉄道線を撤去後に、現在の20メートルの幅員が30メートル(4車線)に拡幅される計画となってい る。このほか、東 西に横断する(都)下石田細江線、浜松内環状線や高林芳川線 の整備が可能になり、既設に完成している道路へ接続され、新しい道路ネットワークがつく られていく。

▼高架祝い赤電出発 上島駅舎で開通式典 (2012 年11月25日『中日新聞』
◆遠鉄助信−馬込川付近
 遠州鉄道助信駅から馬込川付近まで3.3キロの高架開通式典が24日、浜松市中区の上島駅であり、臨時列車の運行や地元児童らによるくす玉割りなどで8 年がかりの完成を祝った。
 高架化は1985年に開通した第一期工事(新浜松駅−助信駅付近)を合わせると総延長5.2キロになった。国、県、市、遠鉄が総額297億円(今回工事 197億円)を投じ、7(3)駅を高架化し、41(21)の踏切を撤去した。
 高架開通式典で、鈴木康友市長が「沿線周辺地域の民間投資が誘発されて、地域の発展につながることを願っている」とあいさつ。
 遠州鉄道の竹内善一郎社長は「利用者に50年、100年ご愛顧いただけるように努力していく」と述べた。
 高架事業に伴い、助信、曳馬、上島の3駅はバリアフリーの高架駅としてリニューアル。通勤ラッシュ時に上下線で1本ずつ増便するなどダイヤを改正した。
(赤野嘉春)

助信から馬込川付近までの高架利用が
開始された遠州鉄道。写真右側は曳馬駅
=浜松市中区で、本社ヘリ「まなづる」から



B遠州小林〜遠州芝本間の高架化   

▼国道152号浜北天竜バイパス整備関連整備  (2010年1月6日『建通新聞社』)
 国道152号浜北天竜バイパス整備は、2010年度から遠州鉄道鉄道高架上部工に着手する計画で準備を進めている。
 同バイパス整備区間の南側では、バイパスと交差する遠州鉄道西鹿島線の高架化を進めている。芝本駅から南に約1,000メートル区間を高架にするもの で、08年 度から整備に着手した。10年度は同区間の鉄道高架上部工を中心に整備を進めていく計画となっている。
 同パイパスは現在、新東名高速道路の開通に合わせ1期工間(浜北区新原の遠州鉄道線から天竜区二俣町阿蔵までの延長5,148メートル)の残り 2,460メートルを暫定2車線(幅員13メートル)で整備を進めている。1期区間の全線供用は12年度の予定。
 また、12年度の供用開始が予定されている新東名高速道路浜北IC(仮称)と市中心市街地とを円滑にアクセスすると共に、北遠地区中心部の慢性的な渋滞 解消、国際標準コンテナ車通行支障区間の解消など、開通により大きな役割が期待されている。
 将来的には、三遠南信自動車道や新東名高速道路など高規格主要路線とのネットワークの形成により、北遠地域への高速アクセスの確保・強化を目指し、主要 な拠点区間においても広域交通ネットワーク機能の充実を図っていく。
 なお、T期工間の以北について、現在は天竜区阿蔵〜同区山東までを2期工区とする計画があり、新東名高速道路開通後の整備計画が今後の課題となってい く。

 遠州小林駅〜遠州芝本駅間1.7kmの内1.3kmの区間の高架化が完成し2011年10月13日始発列車より供用を開始した。(遠 州鉄道webサイトより)

遠鉄の高架化は完成したが国道152号バイパスは未 開通 2012.1


4.遠州鉄道の天竜地区乗り入れ  

▼赤電/天竜川超えは? (2006年4月30日『朝日新聞』)
 浜松市を東西に横切る第三セクター・天竜浜名湖鉄道天浜線。北遠地域を支える鉄路に遠州鉄道電車(愛称・赤電)の乗り入れは可能か――その実現性を探る 調査費500万円が、浜松市の06年度予算に盛られた。調査は「天竜川越え」を悲願に、旧天竜市が15年前から続けてきたが、新・浜松市では初めて。旧天 竜市幹部は「一歩前進」と期待する一方で、事業を引き継いだ浜松市は「白紙状態」。旧天竜市の調査には肝心の需要予測がないだけに、赤電乗り入れの行方は 不透明だ。(長田寿夫)
 乗り入れ構想があるのは、天浜線(掛川〜新所原)の西鹿島から天竜二俣駅までの2.3キロ区間。市を南北に走る赤電は西鹿島で止まっているが、これを天 竜川を越えて北上延伸させる。上下線とも12分おきに運行する赤電に対し、天浜線は1両編成(朝は2両)で1時間に1本。この不便さを解消する手段が赤電 の乗り入れだ。
 旧天竜市は91年から3回、赤電乗り入れを前提に、技術的可能性や鉄道施設の耐久性調査を進めてきた。問題は、ディーゼルの天浜線に対し、遠鉄は電車 で、車両の幅も高さも異なる点だ。しかし、橋やホーム、トンネルを改造すれば技術的には可能とみて、初期投資を24億円とはじいた。
 乗り入れが現実味を帯びたのは03年2月。合併を前にした旧天竜市での講演会で、北脇保之浜松市長が「遠鉄電車の天竜二俣駅乗り入れ実現をめざす」と表 明。旧天竜市民の間に期待感が高まった。
 赤電乗り入れは、合併協定書の新市建設計画にも盛り込まれ、「主要事業」と明記されている。北脇市長の発言にも、この3年間ブレはない。


5.遠州鉄道沿線の開発  

▼遠鉄沿線再開発を本格化 西鹿島駅に浜松市予算案400万円計上  (2008年2月15日『中日新聞』)

 浜松市内を走る遠州鉄道の沿線再開発が2008年度から本格化する。以前は複数の市町村にまたがっていたため、自治体間の調整で難題を抱えていたが、3 年前の12市町村合併で「大きな浜松市」になった結果、一気に動き出した。第一弾は、60年以上もたなざらしだった北端の「西鹿島駅」(天竜区)整備。駅 前ロータリーやアクセス道路建設の構想策定で、市は08年度予算案に400万円を計上した。

 市が打ち出した基本構想は、遠鉄沿線から市中心部に至る南北ルート「天竜軸」の再開発だ。通勤時間の短縮や買い物客らの移動を促し、双方の活性化を目指 す。合併による市域拡大では「隅々まで目が届きにくくなる」といったマイナス面も指摘されていたが、今回のケースでは合併が大きな利点となった。第一歩と なる西鹿島駅では、駅前ロータリーの整備を具体化させるほか、国道152号バイパスと同駅を結ぶアクセス道路建設についても検討する。旧二俣町時代に都市 計画決定が出されて以降、旧天竜市の時代も含め、60年以上にわたって課題とされてきた同駅前整備。市北部都市計画事務所では「市域全体の発展に生かせる よう、基本的な考えをまとめたい」と意気込んでいる。



【参考文献】
鶴 通孝「浜松シティと遠州鉄道」『鉄道ジャーナル』第32巻第4号、1998年、所収

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