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目 次 |
1.熊本都市圏と路面電車 2.利用状況 3.路線延伸や設備改良など 4.新型車両の導入 5.運賃の見直し 6.電停や系統の名称、ダイヤの変更 7.乗車記録 |
![]() 2013.4熊本駅前電停 JRから乗り換える大勢の利 用者が列を成している |
![]() 2013.4水道町電停 鶴屋百貨店が立地する熊本市街 地の中心部 |
▼6年ぶり乗客数減少 本年度見込みマイナス5% 熊本市電
(2001年3月7日『熊本日日新聞』) 熊本市電の2000(平成12)年度乗客見込み数が、前年度に比べ約5%減少する見通しになった。乗客数の前年割れは6年ぶり。熊本市交通 局は年度当初は乗客数増を見込んでおり、来年度に原因を調査する。 同局が昨年4月〜今年1月の実績を基に試算した本年度の乗客見込み数は、約1,029万7千人(1日平均2万8,211人)で、前年度比5.3%減。料 金収入も同5.8%減の約13億900万円の見込み。 同局は、乗客数、料金収入とも前年度比で1%程度の増加を予想していた収支計画を下方修正。本年度の市交通事業会計市電部門の赤字は、前年度比43%増 の2億8,200万円に上る見通し。赤字は91年度から続いている。 市電の年間乗客数は63(昭和38)年度をピークに落ち込んだが、90年 代は運行本数を相次いで増やしたことなどから、前年までは漸増傾向で推移していた。 交通局総務課は「中心市街地の空洞化や観光客の減少などのマイナス要因の社会情勢はあるが、突然5%も落ち込んだ理由は不明。ショックだ」と困惑。来年度、利用者 アンケートなどを実施し、市電離れの原因分析を急ぐ。 一方、同局の市バスの本年度乗客見込み数も前年度比3.5%減で、3年連続の前年割れ。市電、バス両部門を合わせた本年度の市交通事業会計の赤字総額は 約4億1,700万円の見通し。累積赤字は22億円を超える。 |
![]() 6年ぶりに乗客数減少が見込まれる熊本市電 |
▼熊本市電乗客数 12年ぶり1,000万人割れの見込み
(2004年3月9日『熊本日日新聞』) 熊本市電の2003(平成15)年度の年間乗客数が976万5千人と、12年ぶりに1千万人台を割り込む見込みとなった。市交通局は「1千万人台を守る ことは目標だっただけに残念。景気の冷え込みで人の行き来が減少しているのが影響しているのではないか」とみている。 市交通局が8日、市議会経済交通委員会で報告した。昨年11月末までの利用実績に基づき試算。年間乗客数は、約1,018万2千人だった前年度より 4.1%減少。料金収入も約5,200万円少ない約12億2千万円と見込んでいる。 市電の乗客数は89年に過去最低の880万9千人に落ち込むな ど低迷。90年1月以降の本格的なダイヤ改正などで好転し、 92年度には11年ぶりに1千 万人台を回復。その後も99年度の1,086万8千人をピークに 1千万人台をキープしていた。しかし、2000年度から減少に転じ、連続して前年度実績を 下回っている。 一方、市バスの乗客数も前年度より1.9%少ない1,544万1千人にとどまると試算。料金収入も約8,400万円少ない約19億4千万円と見込んでい る。これにより、電車・バスを合わせた本年度交通事業会計は約7億円の赤字となる見込み。 |
▼市電の乗客2年ぶり増加、バスは減少 熊本市
(2011年10月1日『熊本日日新聞』) 熊本市の2010年度交通事業会計決算によると、市電の乗客数は2年ぶりに増加に転じたが、市営バスは路線移譲に伴い減少。両部門合わせた運賃収入は 22億3,300万円で、09年度より2.1%減少した。 乗客数は市電が3.2%増の953万7千人、バスは22.2%減の691万7千人。運賃収入は市電が3.4%増の11億2,600万円、バスは7.2% 減 の11億700万円だった。 市交通局は市電の乗客増の理由を「沿線人口が増加傾向にあることや、熊本 合同庁舎の移転で定期利用者が増えたことが影響した」と分析。バスの減少は、熊 本都市バスに上熊本営業所管轄の2路線を移譲したためとしている。 市の一般会計から繰り出した補助金は市電が9億1,600万円、バスは10億4,600万円。これら補助金を含む経常損益は市電が2億8,500万円、 バスが2億8,900万円の黒字となった。 大江の交通局跡地の売却(市に所管替え)に伴う特別利益4億5,800万円なども計上したため、最終的な純損益は9億2,900万円の黒字。累積赤字は 36億2,900万円に圧縮した。 財政健全化法に基づく財政指標の一つ「資金不足比率」は176%で、健全化基準20%を大幅に超えたが、経営健全化計画の年次目標値を上回るペースで改 善した。(森紀子) |
▼熊本市電90年目 新幹線開業効果で乗降客増 (2013
年8月1日『熊本日日新聞』)
経営以外に課題もある。総務省九州管区行政評価局は3月、交通事業を所管する国交省に市交通局が点字ブロックや安全柵設置といった電停の改善を指導する よう促した。
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▼“魔の交差点”解消へ 熊本市のJR上熊本駅南側 (2001年
4月24日『熊本日日新聞』) 熊本市は本年度から、JR上熊本駅南にある交差点の改良事業に取り掛かる。県道熊本鈴麦線と市道の合流地点で、市道から県道に向かう車両と 市電が交差する危険地帯の解消が狙いで、市電軌道を移動し、市道から分離する。 改良事業は同駅の周辺整備の一環で、本年度は測量設計費として4,200万円を計上、事業計画や道路設計図などを作成する。来年度に着工、2004(平 成16)年度に完成予定。総事業費は約10億円を見込んでいる。 同駅南にある交差点は(1)Y字形に合流して見通しが悪い(2)市道側から進入する車を整理する信号機がない(3)市道中央には市電の軌道があるため、 県道に入る車は軌道を横切る必要がある―ことから、市電と車の接触事故の危険性がある。実際、95年12月には市電とトラックが衝突し、トラックの運転手 が死亡する事故も発生している。 市上熊本駅周辺整備室の計画では、現在の交差点を廃止し、手前から県道方向に曲がる延長約50メートル、幅19メートル(2車線)の道路を新設。県道と の合流地点のT字交差点には信号機を設置する。県道の歩道部分は約200メートルにわたって4.5〜5メートルまで拡幅する予定。用地は周辺約2ヘクター ルを区画整理して確保する。 市電の軌道は、県立体育館前駅から上熊本駅までの約170メートルを市道 中央から西側の歩道側に移動する。このうち約70メートルは歩道のすぐ横を線路 が走る「サイドリザベーション」方式を導入、県立体育館前駅も歩道側に移設す る。乗車のために車道を横切る必要がなくなり、安全性の向上が見込めるとい う。松永憲幸・市上熊本駅周辺整備室長は「地元の地権者らの理解を得ながら、安全な道路環境をつくっていきたい」と話している。 |
![]() 市道(右)と県道(左)が交わる JR上熊本駅南の交差点。 市電の軌道もあり複雑なつくり のため危険性が高い =熊本市上熊本2丁目 |
▼市電延伸 熊本市が動植物園までの800メートルを検討
(2004年1月9日『熊本日日新聞』) 熊本市が、市電を市動植物園(同市健軍五丁目)まで新たに約800メートル伸ばし、同園駐車場を利用した市電によるパークアンドライドの実用化を検討し ていることが8日、分かった。総事業費は約10億円。2008(平成20)年度中の開業を目指し、04年度当初予算に調査費を計上する方針。 パークアンドライドの本格導入は、県内で初めて。同時に動植物園を核とした江津湖一帯の観光活性化を図る考え。 市は、動植物園のバイオマス資源を活用した江津湖観光活性化計画を策定中で、市電延伸も同計画の一つ。政府の「地域再生本部」(本部長・小泉純一郎首 相)が募集している「地域再生推進のためのプログラム」(仮称)の認定を目指し、同計画を今月中旬に応募。都市公園利用に関する規制緩和などを求める。 市電延伸は、動植物園前電停(新生一丁目)から市所有の水前寺江津湖公園(通称・庄口公園)の東側を通り、動植物園の正面入り口まで。単線で、庄口公園 南側と動物園正面入り口の2カ所に電停を設置。電車は各電停で離合させる。同市大江の市交通局にある車両基地(10台)も、庄口公園北側に12台分を新設 し、移転する。大江基地の跡地利用については検討中。 パークアンドライドは、市東部地域や上益城郡益城町など近隣町の住民が市内中心部に通勤する際、動植物園の第一駐車場(330台)に車を停め、市電に乗 り換えて通勤する仕組み。 04年度は交通量や地質、近隣町も含めたニーズなどを調査する。調査費は2〜3千万円(うち3分の1は国の補助)になる見通し。同年度中に基本計画を策 定。05年度に軌道特許を申請し、07年度の着工、08年度中の開業を目指す。軌道(敷地幅約4メートル)は市有地内に設けるため新たな用地買収は不要。 市企画財政局は「市動植物園と江津湖を一体として観光の起爆剤にしたい。合わせて中心市街地の慢性的な渋滞の緩和や、市電の利用促進にもつなげたい」と 意欲を見せている。 市電の延伸は1954(昭和29)年の藤崎宮前〜上熊本駅(廃止)、59年の熊本駅〜田崎橋に続き戦後3度目。 |
![]() テニスコートやグラウンドを備える 庄口公園。 右側奥の遊歩道沿いに市電が通る 計画=熊本市健軍4丁目 ![]() |
▼熊本市電延伸中止 採算、地下水など考慮 幸山市長
(2004年12月8日『熊本日日新聞』) 幸山政史熊本市長は8日、国の地域再生計画の一環として検討していた市電の市動植物園(健軍五丁目)までの延伸計画について、「現段階では本格的な実施 に踏み出すべきでない」と述べ、延伸を中止する考えを示した。同日午前の市議会一般質問で公明党の西泰史氏に答えた。 同計画は市電の軌道を、動植物園前電停(新生一丁目)から市所有の水前寺江津湖公園(通称・庄口公園)の東側を通り、動植物園の正面入口まで約700 メートル延伸。庄口公園北側には市交通局にある車両基地を移転する予定だった。 さらに、動植物園の駐車場にマイカーを止め、市電で中心部に行くパークアンドライドとして活用。総事業費は約20億円で、2007(平成19)年度に事 業着手、08年度の完成を目指していた。 延伸計画については、周辺住民や市議会から、健軍・庄口水源地が市の配水量の約半分を占めるため、水道水への悪影響や騒音、採算性などで反対や慎重論が 出ていた。 現在までの調査の結果「地下水への影響など技術的には実現可能」とした。しかし、利用者は年間120万人が見込まれるものの、試算では最低でも年間2千 万円の赤字が予想される。このため幸山市長は「採算性や地下水への市民の思いに完全にこたえていない」として、延伸の中止を決めた。 延伸計画については既に国土交通省の来年度予算概算要求に盛り込まれているが、今月末に決定する政府予算案では取り下げる。 |
▼熊本市電延伸 沼山津線は80〜140億円、市が事業費試算
(2004年8月13日『熊本日日新聞』) 熊本市は12日、市電を健軍町電停から延伸した場合の2 ルートの調査結果を明らかにした。沼山津方面へ直進する沼山津ルート (2.3キロ)の事業費は約 80〜140億円、第二高校前を通る自衛隊ルート(同)は約 65〜80億円と試算。沼山津ルートの沿線は商業施設などの立地が期待でき、運転経費は賄え るとしている。 市議会総合的都市活性化に関する特別委員会(主海偉佐雄委員長)で説明した。 沼山津ルート(県道熊本高森線)については、現在の4車線を2車線に縮小し、 (1)道路拡幅をせず現在の幅員内で軌道を整備 (2)主要交差点(2カ所) のみ右折レーンを確保 (3)各交差点(11カ所)で右折レーンを確保 ―の3つに分けて検討。交通への影響を少なくするため、主要交差点には右折レーンを確 保する必要があると分析している。 延伸効果は車やバスに比べ3〜11分の時間短縮となり、定 時性確保の面からも大きいとした。沿線での新たな商業集積も期待 できることから、延伸部分の市 電を運用するためのランニングコストも賄えるとしている。 一方、陸上自衛隊西部方面総監部の北側に至る自衛隊ルート(市道)は (1)現在の4車線を変更せず中央分離帯に軌道を整備 (2)車線を2車線に縮小し、 植樹帯や中央帯を確保 ―の2通りを検討した。延伸効果は、バスなどに比べ11分の短縮に なるが、沿線に民有地が少なく開発の可能性が低いこ となどから、延 伸部分のランニングコストは賄えないとしている。 市交通計画課は「今後は道路管理者などと個別に交通への詳細な影響、事業効果などを協議。延伸地域の住民をはじめ市民の合意形成、路線バスとの役割分担 の検討も進めたい」と話している。 また、同特別委では行政に財政支援を求めている熊本電鉄のLRT(次世代型路面電車)化計画について、委員から「財政面も含め、支援は県主導で進めるべ きだ」など慎重意見が相次いだ。 |
▼辛島町電停付近の軌道移設案見送り 熊本市電
(2009年6月4日『熊本日日新聞』) 熊本市は4日、熊本交通センターを発着する路線バスと熊本市電の結節強化策として検討してきた辛島町電停付近の市電軌道を一部移設する案を見送る方針を 明らかにした。同日の「桜町・花畑周辺地区再開発検討協議会」(会長・高田晋同市都市建設局長)で報告した。 両地区の再開発構想を受けて、市は2007年度から軌道変更により市電、バス双方の利便性向上にどれだけ効果があるかなどを調査・検討してきた。 対象は、市電がJR熊本駅方面と上熊本駅方面に分岐する慶徳校前・西辛島町電停付近から熊本城電停付近の区間。現軌道より西側の市産業文化会館(3月末 で閉鎖)と、くまもと阪神の間を通る市道=通称シンボルロード=などに変更した場合の整備費などを調べた。 しかし、整備費が20億円以上を超えて費用対効果が見込めない上、同協議会でシンボルロードを歩行者空間に活用する方向性が示されたことなどから軌道は 現行のまま、とした。 今後はバスターミナル機能をできるだけ辛島町電停側に近づける一方、電停のバリアフリー化・一部移設や歩行者空間の確保などに取り組むことで「時間的、 心理的距離を縮めたい」(市交通計画課)としている。 この日の協議会では前回審議したシンボルロードの歩行者空間化などの整備方針を盛り込んだまちづくり計画案を了承。今後、市民の意見を募った上で、7月 をめどに計画を策定する。(前田克) |
▼熊本市電、歩道寄り運行開始 「大屋根」も完成 (2010年4
月26日『熊本日日新聞』) 熊本市春日の市電JR熊本駅前〜田崎橋の軌道を同駅側の歩道に寄せる「サイドリザベーション」(区間570メートル)と、移転新設した同駅前電停の上部 を覆う雲をイメージした「大屋根」の完成式典が26日、現地であった。 2011年3月の九州新幹線鹿児島ルートの全線開業を見据えて県と熊本市が連携して整備。事業費はサイドリザベーション関連が今夏までに整備する軌道緑 化分を含めて約8億円。「大屋根」が約2億6千万円。県が9億4千万円、市が1億2千万円負担する。 この日、市電は始発から新軌道での運行に切り替え。駅前電停はこれまでより田崎橋側に約70メートル移転した。「大屋根」は建築家の西沢立衛氏(東京) が設計。しゃもじに似たデザインでコンクリート製(約1,000平方メートル)。天井までの高さは5.7メートルで、日よけや雨よけに加えて、県は新たな 憩 い空間などとして期待している。 (前田克) |
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![]() サイドリザベーション工事が完了し、 新たな軌道を走る市電。 左側は旧軌道、右上は田崎橋電停 =26日午前、熊本市春日(小野宏明) |
▼熊本市電電停との連絡橋完成 JR新水前寺駅 (2011年7月
16日『熊本日日新聞』) 熊本市のJR豊肥線新水前寺駅と市電新水前寺駅前電停をつなぐ連絡橋(長さ65メートル)が完成。20日午前6時から供用開始する。 県都市計画課によると、連絡橋は県道熊本高森線(通称電車通り)をまたぎ、市電上下線電停と階段で結ぶ。現在、駅−電停間の通行は、電停南東側の横断歩 道を渡らなければならない。屋根付きの連絡橋を利用することで安全性が高まり、移動距離も70メートルから50メートルに短縮。雨天時の乗り換えもスムー ズになる、という。 一方、連絡橋両端に整備するエレベーター2基は、東日本大震災の影響で部品調達が遅れ、完成は10月ごろになる見通し。(福井一基) |
![]() 20日に供用が始まるJR新水前寺駅(左奥)と 市電新水前寺駅前電停(手前)を結ぶ連絡橋 |
▼市電の信号待ち短縮へ 来月から優先システム (2011年2月
24日『熊本日日新聞』) 熊本市と県警は、市電の信号待ち時間を減らすための優先システムを、3月1日から熊本・上熊本両駅前電停から辛島町電停までの区間で運用を始める。所要 時間は最大約1分半短縮できるとしている。 信号機の20〜300メートル手前に感知器を設置し、市電の発信機から出す赤外線を受信させ、自動的に時間調整する仕組み。約10秒、信号機が青の場合 は時間延長、赤の場合は短縮する。新幹線開業を前に、市中心部への円滑な運行を狙った。総事業費は6,400万円。 熊本駅前〜辛島町間2.2キロは、11カ所、上熊本駅前〜辛島町間2.9キロは7カ所に感知器を設置。市電の全44車両に発信機を搭載した。 すでに2月中旬から試験運転をしており、平均11分だった熊本駅前間と、同14分半だった上熊本駅前間とも、平均で約30秒の時間短縮効果があった。最 大で約1分30秒短縮できたケースもあった。 同様のシステムは、路線バスでは県道熊本高森線の健軍交番前〜交通センター間など3路線計14.5キロで、2004年度までにすでに導入済みで、 7〜10%の時短効果があった。(岩下勉) |
![]() 赤信号で停車する市電=24日、 熊本市の呉服町電停付近(小野宏明) |
▼超低床電車、新たに2台運行 車内色を一新 熊本市交通局
(2001年3月6日『熊本日日新聞』) 熊本市交通局が新たに導入した超低床電車2台が6日、運行を始めた。既に運行中の3台と外装は同じだが、車内色を一新した。車両が増えたことで、低床電 車の運行は現行の30分間隔から20分間隔になる。 午前10時から同市大江五丁目の交通局で、白川小二年生や九州学院みどり幼稚園児など計約100人が出席して出発式があった。三角保之熊本市長と車内デ ザインを担当したデザイナー水戸岡鋭治さん(53)があいさつ、児童や園児たちが2台に乗車し、熊本駅と健軍町に向けてそれぞれ出発した。 新車両のデザインは、手すりや車内の壁の一部に黄色、運賃箱にオレンジ色などを使用。視認性を高め、高齢者などの安全確保を図った。 超低床電車は全長18.5メートル、定員76人。台車はドイツから輸入、国内で車内の設計変更や組み立てをした。車両は1台2億4千万円だが、今回は年間2千万円の15年リース契約を結んだ。 |
![]() 新導入車両の前でテープカットする三角熊本市長 (右から4人目)など関係者たち =6日午前、熊本市交通局 |
▼新車両2両導入へ 熊本市電、新幹線見据え
(2007年9月12日『熊本日日新聞』) 熊本市は12日、来年度中をめどに市電に最新型の超低床車両を2両導入する方針を明らかにした。また、JR熊本駅と市中心部の所要時間短縮を狙って、電 車が赤信号にかかりにくくする優先信号システムを田崎橋〜辛島町など2区間に設ける。 九州新幹線の全線開業を見据えた対応。同日の市議会一般質問で松本富士男都市建設局長が佐々木俊和氏(市民連合)に答えた。 同市交通局は1997(平成9)年、全国で初めて超低床車両を1両導入。その後、99年と2001年に2両ずつ増やし、現在、5両を運行中。市側は「新 幹線開業を見据え、熊本駅と中心市街地間の輸送力増強を図る必要がある」と導入理由を説明した。車両費見込みは計5億円。 一方の優先信号システムは電車の接近をセンサーで感知。その信号を県警の交通管制センターに送ることで電車の進行方向の青信号を長くできる。設置予定区 間は田崎橋〜辛島町(2.2キロ)と上熊本駅〜辛島町(2.9キロ)で、新幹線の全線開業時に合わせて運用できるよう、県警などと協議を進めている。 同システムは辛島町付近の交差点に部分的に設置されているが、区間で導入するのは初めて。設置後、熊本駅〜辛島町は現行より2分短い8分、上熊本駅〜辛 島町が2.5分短い9.5分程度になるとみている。整備費は約1億3千万円を見込む。(前田克) |
▼3月から新たに超低床型電車導入 熊本市電
(2008年12月28日『熊本日日新聞』) 熊本市交通局は新たに導入する最新型の超低床型電車2編成(2両連結タイプ)の運行を来年3月中に始める。九州新幹線の全線開業を見据え、JR熊本駅と 市中心部間の輸送力増強などを図る狙い。新車両導入は8年ぶり。 事業費は5億円。座席数は30で、現在運行している車両より6席多い。富山ライトレール(富山市)が導入した車体と同型といい、車体に肥後ツバキをイ メージした赤をあしらうのが特徴。現在、新潟県内で内装工事が進んでいる。 市交通局は1997年に全国で初めて超低床型車両を1編成導入。その後、99年と2001年に2編成ずつ増やし、現在、5編成を運行中。辛島町〜健軍町 では20〜25分間隔の運行頻度が、導入後は15〜20分間隔になる見込み。(前田克) |
▼初乗り150円に値上げ 熊本市電、来月から3カ月
(2006年9月13日『西日本新聞』) 九州運輸局は12日、熊本市交通局が申請していた熊本市電の初乗り運賃130円から150円への値上げを認可した。実施は10月から12月までの3カ月 間。市交通局は乗客の増減などを調べて、今後の運賃体系の見直しに役立てる。 運賃が値上げされるのは、2号線(田崎橋〜健軍町)9.2キロと3号線(上熊本駅〜健軍町)9.4キロの計18.6キロ。 運賃は距離に応じて料金が加算される対距離制だが、今回、値上げされるのは2キロまでの初乗り運賃のみ。 市交通局は昨年10月、乗客減少を食い止めるため運賃制度の検討に着手し、同月1カ月を130円均一運賃で試行。期間中、乗客は9.8%増加したが、運 賃収益は6.2%減った。その際の乗客アンケートで初乗り150円でも乗車するとの声が多かったため、今回の値上げに踏み切った。 市交通局電車課は「150円で乗客の動向を分析して、将来的には150円均一運賃に移行したい」としている。 |
▼熊本市電「150円均一」運賃へ 6月議会提案
(2007年6月8日『熊本日日新聞』) 熊本市は8日、市電の「150円」均一運賃を早ければ9月から導入することを明らかにした。15日開会の6月定例市議会に市軌道条例改正を提案する。運 賃形態を分かりやすくすることで、市電の利用者減に歯止めをかけるのが目的。 市交通局は昨年10〜12月、150円均一運賃を試行。結果は前年同期比で乗客数0.5%増、運賃収入0.8%減だった。期間中実施した利用者アンケー ト では65.4%が均一運賃を要望。「いくらまでなら乗るか」の問いには65.6%が150円と答えていた。 同局は均一運賃導入の理由について(1)市民の要望が多く、観光客にも分かりやすい(2)乗降時間の短縮で運行のスピードアップにつながる、と説明。 「試行では収支への影響も限定的で、市民に定着すれば利用者増につながるのではないか」としている。 市電運賃は現在、130円から200円の対キロ区間制。乗客数は1999(平成11)年度の約1,086万8千人をピークに減少を続け、06年度は 905万3千人に落ち込んでいる。05年度決算は3億4百万円の赤字だった。 同局によると、全国19の路面電車事業者のうち、札幌市交通局、鹿児島市交通局など14事業者が均一運賃(100〜200円)を採用している。 6月議会には市電・市バスの2日乗車券(800円)、夏休み期間中に小学生の市電・市バスを乗り放題とする定期(1,000円)の発売も提案する。(中 山智雄) |
▼熊本市電の運賃、12日から150円均一に
(2007年10月4日『熊本日日新聞』) 熊本市交通局は12日から、市電に「150円均一運賃」(小学生以下80円)を導入する。九州運輸局が4日、運賃改定を認可した。現行運賃は走行キロに 応じて130〜200円で、同市電の均一運賃は1976(昭和51)年10月以来31年ぶり。 均一運賃は、観光客にも分かりやすい運賃システムにして、乗降時間の短縮による運行のスピードアップを図ることで、低迷する乗客数を増やす狙い。料金均 一化を盛り込んだ改正条例案は6月議会で可決されていた。 運賃改定で、定期運賃も大人通勤1カ月定期が5,400円(現行4,770〜6,970円)、同通学1カ月定期が4,500円(同 3,980〜5,810円)、小学生以下通学1カ月は2,250円(同1,990〜2,910円)と均一となる。(渡辺直樹) |
▼乗客も収入も増 150円均一で熊本市電 (2009年01月
11日『熊本日日新聞』) 低迷を続けていた熊本市電の乗客が、150円均一運賃(小学生以下80円)を導入して以降、増え始めている。導入された2007年10月から1年間の実 績 をみると、年間乗客数が約63万人(7.3%分)、運賃収入が約4,700万円(4.2%分)それぞれ増えた。 市交通局の試算では、このペースが続けば、08年度の乗客数は、8年ぶりに前年度を上回った07年度(913万人)をさらに上回り、00年度以降減り 続けていた運賃収入も9年ぶりにプラスに転じる見込み。 従来の運賃は距離に応じて130円から200円までの4段階制。市交通局は、06年10〜12月の150円均一運賃の試行結果などを踏まえて「利用客増 が見 込める」などとして07年10月12日から本格実施した。 均一運賃制度の効果は、本格導入から08年9月末までの乗客数と収入を、前年同期間と比べた(均一運賃試行時期と重ならないよう、一部の月はそれ以前の データと比較)。 その結果、乗客数は923万人。運賃収入は11億5,300万円。 増加の内訳をみると、現金もしくはプリペイドの「To熊[ツーユー]カード」が乗客数で4.3%、約32万人の増、収入も2.7%、2,800万円の 増。定期券は乗客数26.3%、31万人の増、収入は19.0%、約1,900万円の増だった。 増加の理由として市交通局は、(1)割安感が大きくなった定期券の利用が拡大(2)同様に長い区間の利用者がバスからシフト(3)ガソリン高騰によるマ イカー離れ−などを挙げている。 一方、バス4事業者の中で特に市電と競合する九州産交バスは「益城方面からバスで市中心部に向かう場合、健軍町で市電に乗り換える客が増えており影響は 出ている。JR熊本駅と新水前寺駅でバスと乗り継ぐ場合に割安な定期券などをPRし、バスの乗客増を図りたい」としている。(渡辺直樹) |
![]() 150円均一運賃の導入以降、 乗客数が伸びている熊本市電 =熊本市の通町筋電停 |
▼より分かりやすく…電停の名称変更案 熊本市
(2010年08月05日『熊本日日新聞』) 熊本市は観光客に分かりやすい電停を目指して「市役所前」を「熊本城・市役所前」にするなど計6カ所の電停名を変更する案を公表。4日から市民意見の公 募を始めた。 2011年3月の九州新幹線鹿児島ルートの全線開業を見据えた対応。移動円滑化事業として庁内組織で検討を進めていた。 変更案では熊本城が見えず、観光客に分かりにくいとの指摘もあった銀座通りと電車通りの交差点付近にある「熊本城前」を「花畑町」に変更。長塀などが間 近に見える「市役所前」に熊本城の文字を加える。 市動植物園の入り口まで遠い「動植物園前」は「動植物園入口」、JR新水前寺駅との結節事業が進む「水前寺駅通」は「新水前寺駅前」とし、「神水橋」は 「神水」、「本妙寺前」は「本妙寺入口」としている。 電停名の変更とともに、市電の運行系統もこれまでの2番系統(田崎橋、熊 本駅前〜健軍町)をA、3番系統(上熊本駅前〜健軍町) をBに変更。A系統は 赤、B系統は青をシンボルカラーとし、電停の案内表示などに使う。外国人にも案内しやすいよう各電停も番号化する。 市民意見は電子メールなどで24日まで受け付け。市は意見を踏まえ9月中に電停名などを決め、10月から案内表示の変更作業に入る予定。(前田克) |
![]() 名称変更案で「熊本城・市役所前」となっている 市役所前電停=熊本市 |
▼市電6電停の名称変更 来年3月1日から
(2010年10月07日『熊本日日新聞』) 熊本市は6日、市電の6つの電停名称を、2011年3月1日から変更すると発表した。「市役所前」は「熊本城・市役所前」となる。 九州新幹線鹿児島ルートの全線開業を見据え、観光客らに分かりやすい名前にするのが狙い。6つの電停の新名称は、市案について市民の意見を公募したうえ で決めた。市案では、現「神水橋」の新名称は「神水」だったが、公募意見を参考に「神水・市民病院前」に修正した。 ほかの新電停名は次の通り。カッコ内は現在の電停名。 ▽動植物園入口(動植物園前)▽新水前寺駅前(水前寺駅通)▽花畑町(熊本城前)▽本妙寺入口(本妙寺前)(前田克) |
▼熊本市電でダイヤ改正 (『鉄道ジャーナル』2012年8月号、
通巻第550号) 九州新幹線の開業から1年が経過し、市電利用者の動向にも変化が見られることから、熊本市交通局では6月1日にダイヤ改正を実施した。 主な内容としては、熊本駅前発の時刻を、新幹線及び在来線列車の到着後、電停までの移動時間を考慮したものに変更。JR熊本駅と中心市街地との間の利用が多いため、熊本駅前〜交通局前間 の折り返し便を新設。健軍町での混雑が始める時刻が早まっているこ とから、朝ラッシュ時のダイヤを10分繰り上げなど。 |
![]() 2013.4健軍町電停に停車する8800形(8802) |
![]() 2013.4健軍町電停 周囲には商店やマンション、住宅が密集する |
![]() 2013.4健軍町電停から水道町方向を望む。道路は渋滞気味。 |
2013
年4月の某日曜日。13:51発のA系統に乗車。車両は8800形(8802)。 健軍町電停のすぐ近くにはアーケードに覆われた商店街があったり、金融機関や 様々な商店があったりする。更に周辺には東区役所、陸上自衛隊西部方面総監 部や駐屯地、熊本土木事務所、熊本運輸支局といった公共施設、公務員宿舎、 市営や県営、URの団地、小中高の学校などが集まり、熊本市東部の拠点として機 能していることが窺われる。 むしろ健軍町電停より先(東側)にこれら市街地が広がっており、熊本市交通局の 延伸の可能性を模索できるポテンシャルは充分と言えよう。 さて、健軍町電停発車時点では、女子中学生らしき2名と初老の男性に私の計4名 のみという寂しい状態。まぁ、日曜日の昼過ぎという中途半端な時間なので、こんな ものか。この前に発車した電車も大体この程度の乗客であった。 並行する県道熊本高森線は片側1車線ということもあってか、上下線とも渋滞気味 であった。右折するクルマが軌道上で止まることもあって、そんな時に電車はポ ワァン≠ニ派手に汽笛を鳴らし、クルマを押しのけてグイグイと進んでいく。 |
各停留所
ごとにポツポツと乗車があり、やがて熊本市街地の東部を縦貫する国道 57号東バイパスと平面交差する。平面交差するのは県道熊本高森線も同様で、こ の交差点(神水交差点)を先頭に下り線は渋滞を引き起こしていた。 この並行する県道の渋滞が熊本市電の定時運行を際立たせる効果はあるだろう が、この交差点をバイパス側で立体交差することでこの渋滞がある程度緩和する ことは期待できそうだ。 八丁馬場電停を出て右にカーブする時、直進方向に都市計画道路のような未成道 路が見えた(ここ)。調べてみると「(都)船場神水線」で、この先の湖を跨 ぐ部分が 自然保護の観点から見直しとなり、計画廃止となったとのこと。(→参 照) さて商業高校前電停を過ぎて、砂取小学校の前を過ぎると道路は突然片側1車線 から3車線に拡がり(ここ)、それと共に周囲には高層マンションが増え郊外 から都 心部へと近付いてきた雰囲気が漂い出した。 車線が増えたため、クルマの流れがスムーズになり電車を次々と追い抜いていく。 |
![]() 2013.4神水・市民病院前電停 R57号東バイパスと平面交差する |
![]() 2013.4商業高校前電停〜市立体育館前電停 道路が片側3車線に拡がる |
![]() 2013.4水前寺公園電停付近 周囲は高層マンションが多い |
![]() 2013.4新水前寺駅前電停 JRとの乗り継ぎ改善のため歩道橋が設置 |
新水前寺駅前電停には14:04着。健軍町電停からここまで所要15分弱であっ
た。 これまで乗車一辺倒だったのだが、ここで初めて下車客があった。 新水前寺駅からJR熊本駅までは豊肥線で8分(200円)だが、熊本市電はダイヤ上 は37分(150円)である。豊肥線は日中でも約20分間隔で電車が来るので、JR熊本 駅に急ぐならばここで乗り換えることを選択する人が多いだろう。 新水前寺電停辺りからはマンション以外にオフィスビルも目につくようになる。 交通局前電停で運転手が素早く交代。 九品寺交差点電停を出ると周囲はいよいよ大型のオフィスビルが建ち並ぶように なり熊本市の中心部へと入ってきたことを実感する。電車の周りを走るクルマやバ スもその数を増しており、道路交通の流れが滞りがちになってきた。 そして大甲橋で広々とした白川を渡り、水道町交差点と水道町電停。 角には鶴屋百貨店がそびえ立ち、行き交う人々とクルマと電車が入り乱れ、繁華街 の風格が漂っている。 |
![]() 2013.4味噌天神前電停〜交通局前電停 周囲は業務ビルが増え出す |
![]() 2013.4大甲橋 対岸が水道町 |
水道町電
停でも乗り降りは多かったが、14:16着の通町筋電停では11名の乗客のう ち過半の6名が下車。しかし10名以上の乗車があり計16名の乗客となった。鶴屋百 貨店やパルコ、ホテル日航熊本などの商業施設が建ち並び、歩行者も非常に多 く 活気がある。都心部の集客力の維持に路面電車がある一定の役割を果たしてい るように見える。電車の客層は老若男女多彩で、地元住民も観光客も両方にとって 使いやすい交通機関として親しまれているようにも思える。少し個人的な感情が含 まれるので、観察に客観性が欠けているかもしれないが(笑)。 さて健軍町から通町筋まで所要25分。新水前寺駅前からでも12分かかっている。 健軍町〜通町筋は営業キロが5.7kmなので、表定速度は13.7km/hとなる。まぁ、路 面電車なので、こんなものかもしれないが、主要交差点の赤信号待ちを改善するこ とで5分程度はスピードアップできそうな気もする。 日本郵政の熊本ビルを右手に見ながら大きく左にカーブすると、熊本城・市役 所前 電停である。周囲はオフィスビルが目立つ業務地区だ。 電車と並行して熊本交通センターに向かう各社のバスが次々と押し寄せてくるのは 壮観だ。過度に集中していると言われてもいるが…(例:記 事)。 |
![]() 2013.4通町筋電停 奥には熊本城が見える。周囲は熊本を代表する繁華街 |
![]() 2013.4熊本城・市役所前電停付近 軌道が緑化されている |
![]() 2013.4辛島町電停〜慶徳校前電停 直進方向は上熊本方面 |
![]() 2013.4慶徳校前電停 道路は片側1車線で狭い 周囲はマンションと古い住宅が混在 |
辛島町電
停からは中学生の集団が乗り込んできたため、車内は40名以上という混 雑っぷりを見せた。しかし辛島町電停を出発して右にカーブするとビルこそ建ってい るが歩行者の姿は少なく、繁華街を抜けたことが分かる。A系統の電車はすぐに今 度は左折をして狭い道路に入る。久しぶりの片側1車線の道路だ。 慶徳校前、河原町、呉服町と電停は続くが、乗り降りは殆ど無く通過する電停も多 い。周囲は静かな住宅密集地といった風情。並行する道路の交通量も少ない。 やがて祇園橋電停の手前から片側2車線の広々とした道路に出るが、華やかな 雰 囲気は特に感じないまま熊本駅前電停に到着した。14:33着であった。 健軍町からは所要42分。通町筋からは所要17分。 乗客は1名を除いて全員が下車。車内は急にガランとした。下車した殆どの客がJR 熊本駅に吸い込まれていく。熊本駅前は再開発されてきれいになっているが、 目立 つのはホテルやマンション、予備校で商業施設は駅ビルぐらい。繁華街としての機 能は無く、あくまで交通結節点として人が集まってくる感じだ。 電停とJR熊本駅の間は平面移動が可能であり、屋根もあるので雨の日も心配無い という素晴らしいものだ。 |
![]() 2013.4熊本駅前で行き交う電車。辛島町方面を望む。 |
![]() 2013.4熊本駅前電停 右側の建物がJR熊本駅。大きな屋根で繋がっている |
さてガラ
ガラの電車は、サイドリザベーションと緑地軌道という日本でも最先端の軌 道敷となった区間を走る。走行は滑らかかつ静かで快適そのものだが、利用者が 少ないため侘しいし、設備が勿体ない。そんな思いを抱かせたまま、14:37に終点の 田崎橋電停到着。健軍町からは所要46分であった。 日曜日の昼間に田崎橋に用事がある人が少ないということなのだろうが、確かに沿 線には熊本地方合同庁舎A棟(九州総合通信局、九州財務局、熊本労働局、九 州 農政局、熊本営繕事務所、熊本地方気象台)ぐらいしかない。そこへの通勤需要に ついてもJR熊本駅から徒歩5分程度の距離なので、市電利用者自体それほど多く ないのかもしれない(こればっかりは平日朝に来てみないと分からないが)。 尚、田崎橋寄りでは熊本地方合同庁舎B棟が建設中(参 考記事)だが、ここもJR熊 本駅から徒歩圏内と言えそうなので、田崎橋電停の利用者増加は限定的になりそ うな気がする。田崎橋からJR線を越えて西側(例えばこの辺)への路線延長 でもで きると、この熊本駅前電停以南の活性化に繋がる気がする。このことは別途、項を 設けて検討することにしてみたい。とにかく田崎橋電停は中途半端な立地で、健軍 町のような交通結節点になるのは場所的に難しいと言わざるを得ないだろう。 |
![]() 2013.4熊本駅前電停〜二本木口電停 サイドリザベーション+緑地軌道という先進的なもの |
![]() 2013.4田崎橋電停 周囲に人影はない |
![]() 2013.4田崎橋電停 すぐ横では熊本地方合同庁舎B棟建設中。JR熊本駅からも近い |
2013.4上熊本電停 |
A系統と
同じ2013年4月某日曜日、上熊本駅前電停からB系統に乗車。 15:26発の1090形(1091)に乗車。 上熊本はJR、熊本電鉄、熊本市電の3鉄道が集まる熊本市街地北部のターミナル だが、駅 前はさしたる施設はなく賑わいを感じるような場所ではない。 JRは高架化工事中なので、完成した暁には今とはまた違った雰囲気となっている かもしれないので、それを期待しよう。 上熊本電停を発車するB系統は日中13〜14分間隔の運転と意外と少ない。 A系統が5〜9分間隔であるのと比べると半分程度の運転本数だ。 しかし上熊本駅を発車した時点で乗客は5名程度で、駅の設備が立派な割に利用 客は多くない印象。駅前自体の閑散とした印象と相まって何だかテンションが盛り 下がる…。 |
2013.4上熊本電停 B系統の時刻表 |
2013.4上熊本電停から県立体育館前電停を望む |
しかし県
立体育館前、本妙寺入口、杉塘、段山町の各電停でコンスタントに乗客が あり、あっという間に車内は立客もあるぐらいの混雑ぶりを呈した。学生風の若い 乗客も多く車内には活気がある。 この辺は市電のすぐ西側をJR鹿児島本線が走っており、JRの上熊本〜熊本間は 3.3kmあるがこの辺に新駅を作っても良いのではないかと思えるぐらいの市街地で はある。(例えば、こ の辺に新駅とかどうか?) 道路は片側1車線で交通量はけっこう多い。JR熊本駅からJR上熊本駅方面へ抜け る最短ルートなので自動車の交通量が多いのであろう。 段山町電停の先で左、右と曲がる。熊本城公園の麓のせいか古そうな民家が目立 ち、その中にポツポツとマンションが建っている。 |
2013.4杉塘電停〜本妙寺入口電停 |
2013.4蔚山町電停〜段山町電停 奥に使用停止中の段山トンネルが見える |
段山町電
停と蔚山町電停の間に段
山トンネルが口を開けているが、JR高架化に 伴う段山陸橋の架け替えにより一時的に使用が停止され、封鎖されている。 市街地のど真ん中に廃隧道があるようなインパクトのある景色だ。 この先の新町電停〜洗馬橋電停間は専用軌道を走る。僅かな距離だが大都市の 私鉄のような雰囲気が漂っている。 洗馬橋電停の横には熊本中央郵便局があるが、熊本の中心部からはまだ離れて いる。その次の西辛島町電停の先でA系統と合流。 辛島公園のすぐ横にある辛島町電停に到着。ここで多くの下車客と一緒に降りた。 熊本交通センターに近い交通の要衝で、オフィスビルやホテルが建ち並んでいる。 B系統も結果的にはけっこうな利用者がいることが分かり、満足であった。 |
2013.4新町電停〜洗馬橋電停 熊本市電では珍しい専用軌道 |
2013.4洗馬橋電停 |
2013.4洗馬橋電停〜西辛島町電停 |
2013.4辛島町電停 サンロード新市街アーケードが目の前にある |