×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

表 紙に戻る
えちぜん鉄道
本 社所在地
福井市松 本上町15−3−1
設 立
平成14 年9月17日
資 本金
5億 3,700万円
公 式webサイト
http://www.echizen-tetudo.co.jp/
目 次
1.福井都市圏とえちぜん鉄道
2.利用状況と利用促進策
3.新駅設置
4.高架化
5.福井鉄道との相互乗り入れ
6.車両

2012.6 勝山永平寺線・越前開発駅

2012.6 三国芦原線・福大前西福井駅

1.福井都市圏とえちぜん鉄道

2.利用状況と利用促進策  
▼好発進で営業運転開始 えちぜん鉄道  (2003年7月21日『中日新聞』)

 えちぜん鉄道の営業運転が始まった20日、駅や電車内で、初日の利用状況、市民の反応を見た。前向きな評価がほとんどだったが、運賃については一部で 「もっと安く」と注文もあった。 (えちぜん鉄道取材班)

 【混み具合】昼間の乗客は、1両20−50人。見奈美徹専務は「初 日としては順調」と評価した。福井駅の駅員は「前日のプレイベントの人出(約 9,600人)と比べると少ないですが…」と苦笑したが、乗客の多くは「京福時代の日曜日と比べ多い」と同社の見方を支持する。

 【サービス・快適性】午前10時−午後4時はアテンダント(接客乗 務員)が乗車。乗客が降りる時には「ありがとうございました」と深々とおじぎ。乗客か ら は「感じがいい」「さわやか」と好意的な反応が聞かれた。
 永平寺口で代替バスから乗り換え、福井に向かった上志比村の福井大学生(18)は「通学でバスを利用していたけど車内はぎゅうぎゅう。やっぱり電車の方 がゆったりと乗れていい。電車は時間も正確。バスだと一本早めに出なければいけなかった。朝が少し楽になりそう」と笑顔。福井市内に買い物に訪れた同村の 女子高生(18)は「京福電車より広い感じ」。夏休み明けには家の車での送り迎えをやめ電車通学したいという。「運行本数がバスより多くて便利」(福井市 の主婦)「駅がきれいになった」(松岡町、春江町の女性)という声も。家族4人で乗車した福井市の自営業男性(33)は「車に比べ家族のスキンシップがと れた」とにっこり。

 【バスとの乗り継ぎ】この日から、電車運行再開区間は、京福バスに よる代替バスの運行が原則なくなった。勝山永平寺線の永平寺口以遠、三国芦原線の西長 田以遠の人が、福井市などに行く際はバスと電車を乗り継ぐことになる。福井市の病院に通う勝山市の無職男性(72)は「バスとの連絡は今のところ順調。 ちょっと面倒だけど問題ないです」と話していた。

 【運賃】バス代替区間にまたがる場合は運賃は京福時代のまま。再開 区間内だけなら運賃は約15%下がる。「値下げは助かる」という声がある一方、西春江 から西別院(福井市)まで乗った春江町の会社社長(57)は「まだ高い」と言う。「この区間の料金は380円。JRで春江から福井までは190円。福井 市のコミュニティバス(100円)を乗り継いで西別院まで行っても、まだJR利用の方が安い」。自治体の補助がないと困るとの意見もあった。


▼えちぜん鉄道、予想上回る1日4,000人が乗車  (2003年8月23日『日本経済新聞』)

 福井県内を運行する、えちぜん鉄道(福井市、社長・山岸正裕勝山市長)は22日、開業後の営業実績を発表した。営業運転を始めた7月20日から8月17 日までの1日当たり平均乗客数は3,693人となった。特に三国芦原線が全線開通した8月10日以降は4,016人で、当初予想を上回る数字になったとい う。
 当初は三国芦原線開業後、1日3,000人程度と見込んでいたため3割近く上回った。このため今年度の経営見通しについて「4億4,000万円の経常赤 字の 幅が増えるとは考えにくく、むしろ縮減する可能性がある」(山岸社長)とした。
 また夏休みが終わり通学客が利用する9月以降は1日5,500〜6,000人の乗客数になるとの見通しを述べた。


▼えちぜん鉄道開業から半年 売り上げ、当初見込みの2割以上に  (2004年1月31日『中日新聞』)

 第三セクター・えちぜん鉄道は、開業から半年、全線開通から3カ月が過ぎた。乗客は昨年12月時点で京福電鉄(2000年実績)の8割まで「回復」。初 年度は目標としていた100万人を上回る約130万人のペースとなっている。順調な出足だが、同社は将来の目標をさらに高いところに据える。「黒字転換」 を果 たすには一層の乗客増が必要だ。
 同社によると、昨年7月20日から同12月末までの乗客は計83万5,173人。乗車券別でみると、通学定期が25%、通勤定期が13%で、一般の 切符、回数券の「定期外」が62%を占めた。
 一日当たりの乗客は開業当初の7月は約3,800人だったが、その後順調に増え、11月には約5,700人となった。12月は学校が休みになったことな ども あり、約5,600人だった。京福電鉄の2000年実績と比べると、11月で約80%、12月では約80%まで乗客が戻ってきている。
 一日当たりの平均売り上げは、11月で約170万円、12月では約150万円。黒字転換ラインとされる250万円には及ばないが、「当初見込みを2割 以上上回っている」(同社)という。
 勝山永平寺線(旧越前本線)と三国芦原線の利用割合では、京福の時は6対4だったが、現在はほぼ5対5。勝山永平寺線は開業から3カ月で、今後徐々に利 用が増えてくるとみている。
 同社は「福井市では日之出跨線橋の撤去工事が進められていて、東部から中心部への車によるアクセスが悪くなっている。この影響で、2、3月と 乗客数は伸びていくのでは」と分析している。
 えちぜん鉄道は、5年後の2008年度に年間の乗客を330万人にし、黒字転換を果たすとの目標を掲げる。同社の担当者は「異業種とタイアップしての 利用促進策を模索したり、地域と連携をとって沿線の魅力を発信し、売り込んだりしていくことも必要だ」と話している。


▼相互乗入れ検討会/えちぜん鉄道と福井鉄道  (2004年3月12日『朝日新聞』)
来年度NPO含め設立

 県はえちぜん鉄道と福井鉄道の相互乗り入れを目指し、来年度に非営利組織(NPO)を含めた検討会を設立する。年度内に乗り入れ方法や財源についての提 言をまとめる。両鉄道は軌道幅など設備面で互換性があり、過去にも相互乗り入れが検討されたことがあるが、実現していない。両線にまたがって乗車した場合 は運賃を引き下げるなどして、乗客増を図りたいとしている。

新運賃やダイヤ調査
 乗り入れを検討するのは、えちぜん鉄道三国芦原線と福井鉄道福武線。線路はつながっていないが、両線が接近する福井市の田原町駅は駅舎を共用している。
 両線は車幅はえちぜん鉄道の方が広いが、軌道幅は1,067ミリでまったく同じ。乗り入れをする場合、田原町駅の線路の付け替えや信号機の設置、自動列 車 停止装置(ATS)、列車集中制御装置(CTC)などのソフトの共通化が必要になる。
 これまでは福井駅でのJRとの乗り継ぎを重視してきたため、田原町駅での乗り換えのための待ち時間はラッシュ時を除くと13〜25分と便利とは言えない 状況で、乗り継ぎによる運賃の割り引きもなかった。県えちぜん鉄道支援課は「乗客の多くは2つ、3つ先の駅なら歩いたり、自転車に乗ったりする。このまま では双方にとって乗客増につながらない」と話す。
 両線の利用促進を図ろうと、県は04年度予算案に検討会の設置費、基本データの調査委託料などとして1,100万円を計上した。予算案が可決されれば、 4月にも調査に取りかかる方針だ。
 検討会は沿線自治体、鉄道事業者、NPOなど約10人で構成する。乗客数や行き先などの旅客状況、沿線住民の希望、運賃の設定、工事費用、ダイヤ編成、 乗り入れ区間などを調査する。
 県えちぜん鉄道支援課の伊藤敏幸課長は「工事の費用対効果を含め、実現の方法を探りたい」と話している。

輸送人員139万人 えちぜん鉄道今年度見込み
 えちぜん鉄道は11日、部分開業した昨年7月から今年3月までの今年度輸送人員は、139万人になる見込みと発表した。当初計画を約35%上回り、売上 金額でも約2割上回る見通しで、島洋鉄道部長は「多く利用していただき感謝している。京福時代の乗客数を上回るよう、さらに努力する」と話している。
 1日あたりの平均輸送人員は、04年2月実績で平均6,220人と、京福電鉄時代の00年度同月と比べ、約75%まで回復した。
 通学定期利用客は京福時代の約65%にとどまっており、2年間の運行停止中に自転車や自家用車など他の通学手段に流れた生徒を呼び戻すことが課題とい う。
 路線別でみると、三国芦原線は00年度の京福の実績とほぼ同じ水準まで戻ったのに対し、勝山永平寺線は約6割と差が出た。全線開通が昨年10月と三国芦 原線より約2カ月遅く、京福電鉄永平寺線が廃線になった影響も考えられるという。
 また、1月末から2月にかけての大雪などによる損害は、沿線の倒木が約100本、土砂崩れの修復や乗客を輸送した代行バスの費用も含めた被害額は約2千 万円になるとした。
 今後の活性化策として、沿線の温泉施設や映画館と連携した割安サービスを実施し、利用増をはかる。また越前新保駅で実施中のレンタサイクルの利用率が高 いため、4月10日から実施駅を他の有人駅に広げ、配置自転車も100台追加する予定。


▼'06記者リポート:「えちぜん鉄道」開通から3年福井 目標上回る利 用実績/福井  (2006年6月5日朝刊『毎日新聞』)

 過去に2度の正面衝突事故を起こし、いったんは廃線となった京福電鉄の福井県内2路線が、第三セクターの「えちぜん鉄道」としてスタートしてから7月で まる3年。全国のほとんどの地方鉄道が乗客を減らす中、毎年、着実に目標を上回る利用実績を挙げ、全国の鉄道関係者から注目を集めている。成功の秘けつと 背景、今後の展望を探った。(兵頭和行)
◇「成功の秘けつは…」全国から視察相次ぐ
◇行政、住民と「存続」で提携

 ◆回復した乗客数
 乗客数は、03年度が開通した7月から(全線開通は10月)で138万人(目標103万人)、04年度は242万人(同240万人)、05年度は対前年 度比15%増の279万人(同275万人)と目標を上回る勢いで年々増加。目標値も05年度268万人の設定を、利用が好調なため、年度途中に275万人 に引き上げ、それをも上回るほどの勢いだ。
 京福時代は自動車の普及や人口減などの社会的影響により、乗客数は64年度の1,500万人余りを頂点に減り続け、廃線前の00年度は約303万人まで 低 減。さらに、開通時は廃線(01年10月から)となっていた約2年間の空白から来る沿線住民の「鉄道離れ」の影響も心配された。
 05年度の乗客数は、00年度の乗客数を取り戻すまでには至らなかったが、毎年2%ずつ減少するという京福時代の傾向がそのまま05年度まで推移したと 仮定して換算した約274万人を上回っており、実質的には廃線前の水準まで戻ったといえる。

 ◆地域へ浸透目指す
 福井口駅に隣接するプレハブ2階建ての本社(福井市志比口3)には、北海道から九州までローカル線を抱える自治体や鉄道関係者から視察が相次いでいる。 見奈美徹社長は「全国から視察に訪れ、『成功の秘けつは』と聞かれるが、戦略や企画がうまくいったからではなく、地域に溶け込んだからだ」という。
 開通後、えちぜん鉄道は、▽アテンダント(客室乗務員)の配置▽えちてつサポーターズクラブ創設▽駅での無料レンタサイクルや無料駐車場の整備▽祭りな ど地元イベントと連動したツアー企画▽さまざまな企画切符の発売――など、きめ細かいサービスや利用促進策を矢継ぎ早に打ち出した。だが、こうした施策が すぐに効果を表したのではない。「少しでもよくしようと頑張っている社員の姿や、収入や利益にならなくても地域のためになればという気持ちをたくさんの人 に見てもらう」(見奈美社長)ことに重点を置いた。
 元々、受け入れられる素地はあった。廃線から第三セクター方式での存続へと行政を動かしたのは沿線住民の力。サポート団体「勝山市電車利用促進協議会」 の滝川裕司会長は「鉄道存続のため、勝山市内全世帯の6割以上が参加して1,000万円の基金を集めるほど地元は盛り上がった」と当時を振り返る。開通 後、 そうした住民の鉄道存続への思いは「もっと乗客数を増やさなければ」という力につながったという。見波美社長は「地域の住民や行政との関係で、これだけう まくいっている鉄道事業者は他にはない」と胸を張る。

 ◆今後の課題
 開通から3年。短期間でここまで順調に乗客数を伸ばせたのは、県立高校の学区制廃止が大きく貢献している。福井県内では04年4月から他学区の高校への 入学が可能となり、通学圏が拡大した高校生が沿線の学校へ電車通学するようになり、毎年、通学定期利用者が上積みされた。定期利用者は1人増えると年間乗 客数で365日往復したと換算されて730人増えることになり、効果は予想以上に大きかった。
 しかし、学区制廃止3年目の今年度、他学区への通学生は高校1年から3年生まで浸透し、来年度からは上積みが見込めなくなる。県総合交通課の笹井博見課 長は「来年度は通学者の上積みがなくなると、08年度目標の330万人へさらに50万人上乗せするには新たな需要開拓が必要」と指摘する。
 現在、新たな需要創出策として新田塚〜福大前西福井間に新駅を造る構想が浮上している。笹井課長は「駅の間が長く、周辺は住宅が密集しており、工場もあ り、新たな需要が見込める」と次の一手として期待を寄せる。また、景気回復で企業が雇用を増やした影響か、今年4、5月で通勤定期が増える傾向を示してい る。このほか、えちぜん鉄道では、沿線の観光地や総合病院、大学などと提携して駅と結ぶ巡回バスの運行を企画するなどきめ細やかな作戦で需要増に乗り出す 作戦を練っている。
 見奈美社長は「えちぜん鉄道単独でできることは限られている。トータルで乗客が増やせればいい。そのためには、行政や地域住民との関係が大事」と展望し ている。


▼年間乗客、300万人を突破 えち鉄、一方で課題も  (2008年4月17日『中日新聞』)

 えちぜん鉄道(福井市)の乗客数が2007年度、前年度比5%増の約307万人に達した。03年の運行開始から右肩上がりで利用者を増やしているが、計 画比では約3万人下回るなど課題も浮上している。
 「コストは順調に削減できている。マイカー利用率が極めて高い福井で、通勤者の利用を増やせるか」。見奈美徹社長はえち鉄が今後も成長を続けるポイント を説明する。
 利用目的別でみると当初から数字を伸ばす通学定期の乗客数は、前年度比3%増の約108万人。通勤定期は6%増だが45万9,000人にとどまる。観光 利 用などの非日常型は7%増の116万4,000人だった。
 08年度の全体目標は4%増の320万人に設定。通学は現状を維持し、通勤はマイカーからの転換を促して9.6%の増加を目指す。非日常型も観光拠点施 設との連携強化を図り、5.7%増を狙う。
 三国芦原線では駅併設の鉄道利用者向け駐車場の拡張を計画。乗客の伸び率が小さい勝山永平寺線は県立恐竜博物館と駅をバスでつなぐなど、利用促進策を検 討している。
 一方、近場の利用が多いために乗客単価が低く、当初想定した330万人での黒字化は難しそう。見奈美社長は「単価を上げるより、公共交通としていかに多 くの方に乗っていただけるかを重視したい」としている。 (渥美龍太)


▼えち鉄、景気悪化で利用者横ばい 赤字補助金は大幅減  (2010年11月26日『中日新聞』)

 沿線自治体などでつくる「えちぜん鉄道活性化連携協議会」が25日、福井市松本上町の同鉄道本社で開かれ、ここ2年間の利用者数は伸び悩んでいるが、欠 損補助金は大幅に減少したことなど、これまでの事業実績が報告された。
 勝山永平寺線と三国芦原線を合わせた利用者数は、事業譲渡を受けた2003年度が140万人だった。その後はガソリン価格の上昇や雇用の拡大、市民団体 の支援などを受けて増加し、ピークの08年度には318万人となった。だが、リーマンショック後の景気悪化などもあり、その後はほぼ横ばいの状態が続いて いる。
 運営面では運輸収入の増加とともに、最新のシステムが導入されたことで、年間の修繕費が65%削減された。沿線市町による欠損金(赤字)の補助額は、 03年度は4億4,400万円だったが、07年度には半分以下の2億1,000万円に、09年度は1億7,000万円にまで圧縮された。
 これとは別に、県などが安全対策などのための設備投資として、総額52億2,300万円を支援。このため京福電鉄時代の2度の衝突事故以来、鉄道側に起 因 する事故は発生していない。
 25日の協議会では、福井大大学院の川上洋司教授を座長とする作業部会を作り、今後の利用促進策や、福井市の田原町駅を結節点にした福井鉄道とえちぜん 鉄道の相互乗り入れ計画など、大規模な設備投資を検討していくことを決めた。
 えちぜん鉄道は02年に設立した第三セクター。沿線市町が運営面、県が安全のための設備投資の資金を支援する「上下分離」の考えで枠組みに合意していた が、その期限は11年度末まで。協議会では、12年度以降の行政支援の枠組みなどを検討している。(土屋晴康)



▼えちぜん鉄道、10年度利用者315万人 2年ぶり増加、「通学定期」2.4%増  (2011 年5月21日『中日新聞』

 えちぜん鉄道(福井市)は、2010年度の利用者実績をまとめた。利用者は315万2,200人と、03年の開業以来、初の前年度実績割れとなった09 年度を4万2,343人(1.4%)上回ったが、目標(317万5,000人)には届かなかった。
 券種別では「通学定期」が、2.4%増の113万7,898人と引き続き好調。09年度は大幅減だった「通勤定期」は、景気回復やガソリン価格の高騰を 追い風に増加し、0.5%増の51万7,838人だった。利用者の3分の1を占める観光客や、イベント利用も含む「非日常型」は0.3%増だった。
 駅別の利用者は、永平寺口駅(永平寺町)やあわら湯のまち駅(あわら市)などが、観光客の減少などで前年度実績割れ。半面、1月に福井公共職業安定所が 近くに移転した越前開発駅(福井市)や、付近に病院や大型スーパーなどが立地する八ツ島駅(同)で利用者が伸びた。ただ、大雪による運休や東日本大震災に よる観光自粛ムードが響き、年間目標は達成できなかった。
 同社が掲げる11年度の目標は320万人。震災に伴う景気の減速や観光への影響拡大も懸念されるが、通勤定期券の増加に向けて営業を強化することにして おり、「ガソリン価格が高止まりの中、沿線周辺の企業などにコスト試算を提示するなど鉄道利用のメリットをアピールしたい」と意気込む。
(北原愛)



▼えち鉄支援、通勤増重点40施策 快速列車運行検討も (2011 年10月11日『福井新聞』

 えちぜん鉄道の2012年度以降の支援スキーム(枠組み)を検討する活性化連携協議会は11日、福井市役所で第5回会合を開き、10年後の年間利用者目 標333万人の達成に向けた40の利用促進策をまとめた。通勤利用者の増加に重点を置き、始発・終発時刻の改善や快速列車の運行を検討する。沿線事業所に 対し電車通勤の働き掛けも強める。
 国の重点的な財政支援を受けるための地域公共交通総合連携計画は、前回会合で議論した行政支援の内容と併せ、概要の取りまとめ作業を終了。来年1〜2月 に開く次回会合で最終的な計画案を示し、3月に国に提出する。
 連携計画では、年間利用者数を21年度に10年度実績比で約18万人増やすとしている。内訳として通勤定期客を51万8千人から29%増やすと見込んで おり、利用促進策に反映させた。運行時間帯の拡大やJRとの接続を考慮し、始発と終発の時刻変更、快速導入による所要時間の短縮を検討する。事業所への利 用呼び掛けは、沿線市町がえち鉄と一体で取り組む。
 利用者へのサービス向上では、主要駅で商業機能併設や無線LAN環境を整備する。中長期的には、駅周辺に住宅地形成を誘導するなどのまちづくりを進める とした。観光客の誘致につながる情報発信にも力を入れる。
 副会長の東村新一福井市長は、勝山永平寺線の高架化などを念頭に「根本的な問題もいくつかあり、(実施年度などの)計画見直しが必要になるかもしれな い」と指摘。専門委員の東村健治県総合政策部長は、費用負担が課題となっている福井鉄道との相互乗り入れについて、最終案には具体的に盛り込まれるべきだ とした。
 また、計画策定後も協議会を定期的に開き、施策の実施状況や効果を確認していくことで合意した。
▼えちぜん鉄道の連携計画案了承 10年間の運行枠組み確定 (2012 年2月14日『福井新聞』

 えちぜん鉄道の2012年度以降の支援スキーム(枠組み)を検討する活性化連携協議会は14日、福井市内のホテルで第6回会合を開き、県と沿線市町によ る行政支援や利用促進策を盛り込んだ地域公共交通総合連携計画案を了承した。今後10年間のえち鉄の運行枠組みが確定した。計画は年度内に正式に策定し、 国に提出する。
 計画は21年度までの10年を期間とし、えち鉄を地域住民の日常生活を支える「生活関連社会資本」と位置付けた。今後10年間の行政支援は、県が運行に 必要な資産取得と設備投資額として22億1千万円(国庫補助を除くと15億6千万円)、沿線市町は鉄道の維持に必要な経費として21億9千万円とした。
 21年度の利用目標は10年度実績の315万2千人を上回る333万人と設定。達成に向けた利用促進策40項目を盛り込んだ。初年度の重点的な取り組み として▽通勤利用向けの2次交通サービス充実▽福井市内の事業者に通勤利用を促す▽快速運行便の設定を検討▽福井鉄道との連絡運賃などを設定し乗り継ぎ利 便性を向上―の4項目を挙げた。
 協議会長の山岸正裕勝山市長は、北陸新幹線の県内延伸によって沿線住民の生活形態やまちづくりにも変化が生まれるとし「次の10年の社会変化を吸収しな がら新時代に対応していきたい」と述べた。計画策定後も協議会は存続させ、沿線市町が今後も連携していくと確認した。
 実現時期が不透明となっている福井鉄道との相互乗り入れは、計画期間に「検討」するとの表現にとどまった。専門委員の東村健治県総合政策部長は「早期に 合意形成をして事業化を図っていきたい」と述べた。


▼えちぜん鉄道乗客数、開業以来最多 前年度比2.6%増323万人  (2012 年4月27日『福井新聞』

 福井県のえちぜん鉄道の2011年度の乗客数は、前年度比2.6%増の323万3,985人で、目標の320万人を約3万4,000人上回り、開業以来 最多となった。東日本大震災の影響により観光客の利用が減った分を通勤、通学定期の増加で補った形。同社は「会社設立から10年目となる節目の年に過去最 高の実績を残すことができた。本年度の目標328万人を達成できるよう努めたい」としている。
 路線別でみると、三国芦原線が前年度比2.2%増の195万363人、勝山永平寺線が同3.2%増の128万3,622人で、ともに過去最多となった。
 乗客の内訳は、通勤定期が55万1,062人で前年度比6.4%の増加。通学定期も同3.1%増の117万3,706人、回数券も同4.2%増の37万 6,472人と堅調な伸びをみせた。通勤客について同社は、冬季期間の安定運行が利用増につながったとみている。
 一方、買い物、通院、観光などの「非日常」利用は同0.2%減の113万2,745人。ただ、3月は前年同月比8.7%増となり、持ち直しの傾向がうか がえる。
 利用客でつくる「えち鉄サポーターズクラブ」の登録会員数は前年度比3.7%増の4,043人で、05年の設立以来初めて4,000人を超えた。65歳 以上が4割超を占めている。会員の利用数は延べ11万639人で、同9.2%増となった。
 同社は「通学、通勤定期の利用客を維持しつつ、観光客の利用増を図りたい」としている。共通切符の発売を工夫するなどして、今まで以上に観光地と連携し た取り組みを進める方針。


▼えち鉄の12年度乗客数が過去最多 ガソリン価格高騰で電車通勤増が要因  (2013年5月20日『福井新聞』)

 えちぜん鉄道(本社、福井県福井市松本上町)が20日発表した2012年度の乗客数(自社線のみ)の発表によると、前年度比0.4%増の324万 6,153人で、目標(328万人)は下回ったものの、03年の開業以来2年続きで最多となった。ガソリン価格の高騰による車から電車への通勤切り替えな どで、通勤定期利用者が同約2万9千人増えたのが大きな要因。一方、右肩上がりで推移してきた通学定期利用者は同約1万2千人減り、初の前年度割れとなっ た。
 同社は12年10月1日から、福井鉄道との乗り継ぎ利用の際の運賃を一体化する「連絡運賃」を導入している。連絡運賃を利用した「フェニックス田原町ラ イン」は1万947人だった。
 路線別でみると、三国芦原線が前年度比0.6%増の196万1,899人、勝山永平寺線が同0.9%増の129万5,201人で、ともに過去最多となっ た。
 自社線の乗客の内訳は、通勤定期が58万512人で同5.3%増。2年連続で5%以上の好調な伸びをみせた。
 通学定期は116万1,308人で同1.1%減。同社は「これまで堅調に増加してきたが、人口減・少子化の影響が実数に表れた」と分析している。長期休 暇時に学生が定期代わりに購入することの多い回数券も同1.3%減の37万1,517人となった。
 観光、買い物、通院などの「非日常」利用は同0.01%増の113万2,816人。日帰り旅行ツアーや運転体験などの企画が新規乗客の掘り起こしにつな がったという。観光客の利用が見込まれる8月や10月、雪の少なかった1〜3月は前年を割り込んだ。
 一方、利用客でつくる「えち鉄サポーターズクラブ」の登録会員数は同0.4%増の4,061人で、05年の設立以来過去最高を記録。ただし、会員の利用 数は延べ11万471人で、同0.2%減と初めて前年度割れとなった。
 同社は本年度の乗客数目標を自社線330万人、フェニックス田原町ラインは3万人に設定。「堅調な定期利用者を維持しつつ、非日常の中でも特に観光客の 利用増を図りたい」としている。



3.新駅設置  
▼福井市:えちぜん鉄道と新駅を2カ所設置へ 来年度の着工・完成目指す /福井 (2006年9月28日『毎日新聞』)
◇三国芦原線、福大前西福井〜新田塚間

 福井市と、えちぜん鉄道は27日までに、三国芦原線の福大前西福井〜新田塚の両駅間(2.13キロ)に新駅を2カ所設置する方針を固めた。沿線住民の要 望を受けた請願駅で、乗客増も期待できる。今月の同鉄道役員会で了承されれば、来月、地元に計画を提示し、来年度の着工・完成を目指す。[兵頭和行]
 完成すれば、第三セクターの同鉄道が京福電鉄から路線を受け継ぎ開業(03年)してから初めての新駅設置。同区間は、手前の田原町〜福大前西福井間に比 べ、駅間が3倍以上長く、沿線(二の宮、大宮、文京など)住民から駅設置の要望が出ていた。
 また、沿線には住宅が密集しており、工場などの事業所も多いことから、鉄道側としても駅設置により年間7〜11万人の乗客増を見込んでおり、県立高校の 学区制廃止(04年4月)に伴う通学客増の効果がなくなる来年度以降の新規需要開拓策としても期待している。
 同鉄道によると、2駅は、国道416号を挟んで南北に設置する予定。建設費用も1駅だけだと約3,500万円だが、2駅だと約6,000万円と1駅当た りの コストが低減できるという。
 県も西川一誠知事が19日の県議会で、新駅設置の可能性を聞いた山本正雄県議(県民連合)の一般質問に対し、「必要な国の認可手続きや、国庫補助金が受 けられるよう強く働きかけていきたい」と前向きの姿勢を示していた。補助金が認められれば、事業費の3分の1が出るため、残りを福井市と同鉄道で負担す る。


▼三国芦原線に新2駅設置の方針 えちぜん鉄道  (2006年9月28日『中日新聞』)

 福井市街地北西部のえちぜん鉄道三国芦原線の新駅設置計画で、同社は国道416号「新八ツ島踏切」を挟み、南北に1駅ずつ設ける方針を打ち出しているこ とが分かった。
 新駅は当初、福大前西福井〜新田塚間(約2.1キロ)の中間点に1駅が建設される予定だったが、乗客の安全や利便性をより高める形で見直された。設置工 事は2007年度以降の予定で、完成すれば2駅合計で年間10万人を超える乗客増加が見込めるという。
 この方針は、27日に開かれた県議会総合交通対策特別委員会で明らかになった。
 新駅は地元からの要望を受けた「請願駅」として整備する考え。当初は新八ツ島踏切付近での設置を検討していたが、乗客が国道416号を横断するのが危険 なことから候補地を見直し。その過程で住宅や工場が密集する2カ所に設置した方が、より利便性が高まると判断した。
 事業費は5,700万円の見込み。駅は無人を予定し、具体的設置場所はさらに検討するという。えちぜん鉄道は福井市議会の同意を得た上で、地元説明会を 開 催する。
 一方、県などは07年度政府予算案の編成に向けて「鉄道軌道近代化設備整備費補助金」の適用を求める方針。
 えちぜん鉄道では「地元では古くから新駅設置の要望があったと聞く。最近になってこの区間では住宅地が急速に増え、行政も公共交通の利用を促進している ことから十分な需要を見込める」としている。
 えちぜん鉄道の今年4月〜8月末までの乗客数は、前年比8%増の約124万人。このペースを維持すれば本年度の目標だった「300万人」を達成できる見 通し。(永井寛郎)


▼えちぜん鉄道の新駅名「日華化学前」と「八ツ島」に  (2006年12月16日『中日新聞』)

 えちぜん鉄道(えち鉄)三国芦原線の福大前西福井〜新田塚間に新設される2駅の名称が、「日華化学前」と「八ツ島」に決まった。えち鉄の見奈美徹社長 と、福大前西福井駅寄りに設置される新駅の命名権を取得した日華化学(福井市文京4丁目)の江守康昌社長が15日、同市の県繊協ビルで発表した。
 命名権の取得について江守社長は、社会貢献活動の一環として取り組んだと説明。社員アンケートを実施したところ、「日華化学前」が最も多かったという。 また、新田塚駅寄りの新駅「八ツ島」については、地元の地名であり、市や地元の同意を得られたことを見奈美社長が報告した。
 命名権の費用は10年間で600万円。見奈美社長は「料金設定についてはさまざまな意見があるだろうが、命名をきっかけに、日華化学社員の利用促進につ ながることを期待している」と話した。これに対し、江守社長も「(アンケートでえち鉄を)利用してもよい」と答えた社員が3分の2に上ったことを紹介し、 「(利用促進のため)社でできることは、やっていく」と述べた。
 えち鉄によると、新駅は国交省の認可を経て来年4月ごろに着工し、9月ごろの完成を目指す。命名権は、新駅完成の1カ月ほど前に正式契約を結ぶ予定。 ホームでの駅名表示は、いずれもひらがなとローマ字の併記とする。 (太田貢市)


▼えち鉄、新駅設置検討へ (2013 年3月28日『中日新聞』

 えちぜん鉄道(福井市)と沿線5市町は27日、2013年度から新駅設置の検討を始めることで合意した。地域鉄道の利便性を高める施設整備に対し、同年 度から国の補助金が受けられるようになるためで、需要を踏まえて設置場所を探っていく。
 この日、福井市田原一丁目のフェニックスプラザで開かれた法定協議会の「えちぜん鉄道活性化連携協議会」で決まった。5市町は福井、勝山、あわら、坂井 の4市と永平寺町。
 協議会事務局によると、国の補助事業では、鉄道利用の潜在的な需要が高い地域で、自治体と鉄道事業者が連携して行う施設整備を支援する。協議会として現 時点で設置を目指す場所は白紙。各市町ごとに検討を進め、協議会で調整を図った上で国に申請する。
 福井市の場合、福井大と共同で三国芦原線の市内部分の需要調査を行う。調査項目は利用する可能性が高い高校生や高齢者の人口、駅間距離など。09年に は、同線の福井口−西別院間に位置する松本地区連合自治会か ら市に新駅設置の要望が出されているという。
 協議会で、えち鉄の見奈美徹社長は「きちんとした住民ニーズを捉えて検討したい」と話す一方、新駅の設置によって「ダイヤが遅れないよう工夫が必要」と も指摘した。
 また、2月の事業検討会議で合意している、福井鉄道(越前市)とえち鉄の相互乗り入れ事業については、協議会としても正式に合意し、計画を進めることを 確認した。
(西尾述志)


4.高架化  
▼えちぜん鉄道 福井駅乗り入れ高架化問題  (2003年9月16日『朝日新聞』)
費用負担の「壁」厚く
 福井市街地の東西交通の円滑化を図るため、福井駅南北3.3キロでJRの鉄道高架工事が進んでいる。しかし、第三セクター会社のえちぜん鉄道の高架問題 がいまだに決着していない。「えちぜん鉄道を地上走行にしたままでは高架の意味がない」とする福井市などに対し、県は多額の建設費負担問題などから地上走 行を求めてきた。県は今年中に方針を決める必要があるといい、9月県議会でも論戦が必至だ。(川田俊男)

県、軽減へ地上案に軸足
■陳情■
 田辺義輝・福井市議会議長ら、えちぜん鉄道沿線9市町村議会の議長は12日、県庁と県議会に西川一誠知事と山本芳男県議会議長を訪問し、えちぜん鉄道の 高架による福井駅乗り入れを陳情した。「えちぜん鉄道が地上に残っては交通阻害がなくならない。何とか高架を」「えちぜん鉄道分の事業者負担は県負担で」 と一人ずつ発言した。8月21日には酒井哲夫・福井市長ら9市町村の首長が県庁を訪問し、同様の陳情をした。
 12日の定例記者会見で西川知事はこの問題について、「事業費は地上走行のほうが安いが、安全、騒音は高架より問題がある。全体で考える必要がある」と 述べ、これまでより柔軟な姿勢を見せた。ただし、費用負担問題については、「市町村もそれ相応の負担を考えるべきだ」と述べ、「これ以上の負担はできな い」とする9市町村にくぎを刺した。

■計画■
 JR北陸線、えちぜん鉄道(当時は京福電鉄)の高架化事業は、県が91年に決定した都市計画に基づいている。両鉄道がそれぞれ別々の高架を走行し、えち ぜん鉄道の方の高架を覆うように3階部分の高架をつくり、将来は北陸新幹線を走らせるという。
 一方、今年6月に県は国土交通省との協議を踏まえ、新たにえちぜん鉄道の地上走行案を示した。それによると、JR北陸線を高架に上げ、現在のJR北陸線 の線路部分をえちぜん鉄道が走り、北陸新幹線はその上の高架を走行するというものだ。
 現在生きているのは、91年に都市計画決定した3階建て案の方だ。もし、えちぜん鉄道だけを地上走行にする場合は、来年度中に都市計画の変更の手続きを とらなければならない。

■経緯■
 えちぜん鉄道は京福電鉄の県内2路線を引き継いで、7月に部分開業したが、高架問題には00年12月と01年6月の京福電鉄の2回の衝突事故が影を落と している。
 事故のあと、京福電鉄は運行を停止して鉄道事業の廃止を申請。鉄道を第三セクターによって存続させるかどうかが県と沿線市町村の間で話し合われ、01年 11月に2路線の存続方針が決まった。しかし、席上、当時の栗田幸雄知事が「連続立体交差(高架)については乗せない方向で進めたい」と県の意向を表明し ていた。
 三セク化の費用負担問題については02年1月、三セク開業後10年間は必要な設備投資は県が負担し、運営費は9市町村が分担する、など10項目の上下分 離方式で合意した。一方で、「今後、新たに大幅な設備投資が必要となる場合については、県と市町村が必要に応じて協議を行う」との文言も付け加えた。

■費用■
 ネックになっているのは、えちぜん鉄道の事業者負担についての県と沿線市町村の費用負担問題だ。
 県の試算によると、えちぜん鉄道の福井駅の乗り入れ事業費は高架は124億4千万円、地上走行は69億6千万円。このうち県負担分は高架で36億4千万 円、地上走行で12億円、福井市負担分は高架で15億6千万円、地上走行で5億1千万円になる。
 これに加え、赤字経営が前提のえちぜん鉄道の事業者負担分は、自治体が出さなければならない。もし県が全額負担した場合、県の負担分は高架で56億9千 万円、地上走行で50億4千万円にはね上がる。
 県は「02年の合意のときに10年間の県負担の項目を決めた。えちぜん鉄道の事業者負担分の件は市町村との協議が必要な新たな問題に当たる」と説明。こ れに対し、9市町村は「当時の合意事項に従えば、事業者負担分は当然、県が負担するもの。しかも、高架と地上走行の県負担分の差額は大きくなく、高架を選 択するべきだ」と言う。

■反発■
 県は6月、地上走行にした場合の東西交通の「渋滞解消策」を明らかにした。東西をつなぐ9本の車道のうち幹線の3本に全交通量の約9割が集中するとみ て、3本とえちぜん鉄道の交差部は、遮断機を撤去して交差点方式にし、一定時間を過ぎると鉄道も赤信号で停止させるという。このことで、交通阻害はいまよ り93%削減できると試算している。
 これに対して9市町村は「ダイヤ通りに発着しなければ電車の意味がなく、利用者が減る」と疑問視する。県警交通部も「立体交差だと交通の円滑化、踏切な どの交通事故防止につながる。地上走行では事業本来の目的にそぐわない。交通渋滞や踏切事故の懸念が高まる」と話し、高架の方が望ましいとの姿勢だ。


▼えちぜん鉄道高架、沿線市町村が3分の1負担  (2003年11月26日『日本経済新聞』)

 福井市など、えちぜん鉄道沿線9市町村の首長は、同鉄道が福井駅に高架で乗り入れる場合の事業費負担について、3分の1を沿線自治体で受け持つことで合 意した。残りは福井県に負担を求める。福井市の酒井哲夫市長が25日、西川一誠知事に負担の意向と高架乗り入れ実現を申し入れた。
 首長会議では、高架乗り入れ費用124億4,000万円のうち、鉄道事業者が受け持つ20億5,000万円(県の試算)の沿線負担について協議した。福 井市 以外の自治体から「財政事情が苦しく負担は厳しい」といった意見が出されたが、福井市が「沿線負担分の半分以上、かなり多くの部分を受け持つ」として合意 に達した。
 県と沿線の負担割合は今春完成したJR小浜線の電化事業や、過去の京福電鉄に対する赤字補填の実績を基に決めたという。


▼えち鉄、駅乗り入れで専用高架 県、新幹線と並行整備案 (2012 年2月15日『福井新聞』

 JR福井駅周辺のえちぜん鉄道勝山永平寺線の高架化事業について、福井県が北陸新幹線高架と一体的に整備する現行計画の見直しを視野に入れ、新幹線高架 の東側に並行してえち鉄専用の高架を設ける新案を検討していることが14日、関係者への取材で分かった。
(細川善弘)

 県の現行計画では、北陸新幹線福井駅部にえち鉄を単線で暫定的につなげ、新幹線の福井開業後は敦賀延伸に備えて並行在来線の高架に乗り入れるとしてき た。福井開業時には新幹線は駅部周辺で単線運行となるため、敦賀への延伸に向け複線化に着手するまではえち鉄が同じ高架上を並んで走れると想定してきた。
 だが、政府は昨年末、北陸新幹線金沢〜敦賀の建設を認可、着工する方針を決定。福井駅部周辺は当初から複線運行となるため、新幹線高架にはえち鉄が乗り 入れられない見通しとなった。
 さらに、敦賀までの北陸新幹線の工事期間中もJR北陸線の特急が運行されることから、福井開業後にえち鉄が並行在来線の高架に移行するとする手順も、計 画通りには進められなくなった。
 えち鉄勝山永平寺線を高架化させる区間は、福井駅から北へ約2キロで、2007年に現計画ができた。新案では、福井口駅南側で新幹線高架をくぐって並行 在来線高架に入る区間を見直し、新幹線高架と並行して東側に新たな高架を整備することを検討している。今後、県会での議論も踏まえ具体化させるとみられ る。
 県のえち鉄高架化事業は、福井駅周辺の東西交通の円滑化が狙い、1991年に都市計画決定されたが、新幹線との一体整備を前提としてきたため、国の認可 が得られず先行き不透明な状態が続いていた。現行計画に関しては、並行在来線のダイヤ編成や高架のコース設計などの課題も残されていた。
 えち鉄の高架乗り入れをめぐっては東村新一福井市長が10日、早期実現を西川知事に要望。知事も新しい案を検討する必要があると応じていた。


▼「えち鉄」高架化出発進行 (2012 年8月2日『読売新聞』

 北陸新幹線の金沢〜敦賀間の建設が決まったのを受け、えちぜん鉄道(えち鉄)の高架化事業が実現に向けて動き始めた。県の計画では、現在のえち鉄福井駅 から福井口駅先までの約2キロを高架にし、福井市中心部の交通環境を改善する。県は2013年度に着工し、17年度の完成を目指すとしている。(久米浩 之)
 踏切をなくして混雑を減らす高架化は、1991年に都市計画決定された。2005年にはJR北陸線が先行して高架化された。撤去される踏切3か所では現 在、1日に2時間半から3時間半、通行が遮断されており、県ではかなり混雑が解消されるとみている。さらに今は線路で分断されている道路19本がつながる ため、円滑に移動できるようになるという。
 県の計画によると、完成済みの新幹線の福井駅部分約0.8キロはえち鉄のすぐ西側にあるため、最初にここに仮設線路を敷き、えち鉄の線路につなげて仮運 行する。その後、新幹線の福井駅部分の東側にあるえち鉄の線路を高架化し、事業を完成させる。高架になるのは、勝山永平寺線が福井市長本町まで、三国芦原 線は同市松本3丁目までという。新幹線は高架となったえち鉄のさらに上を通る。
 この計画は今年2月に県議会に示され、目立った反対意見は出なかった。総事業費は115億円で国が66億円、県とえち鉄の沿線自治体が49億円を負担す る。6月補正予算では、仮設線路の設計費などとして1億3,660万円が盛り込まれた。西川知事は6月定例県議会で17年度の完成を目指すと表明した。
 07年に提案された従来の計画では、北陸新幹線は福井駅まで先行開業し、駅周辺では単線運行するのが前提となっていた。このため、もう1本の新幹線の線 路をえち鉄が走り、三国芦原線は次世代型路面電車(LRT)にする予定だった。ところが、敦賀まで一括認可されて福井駅周辺は複線運行と決まり、県は修正 を迫られていた。
 高架化を受け、JR福井駅周辺の商店主でつくる福井駅前五商店街連合活性化協議会の加藤幹夫会長は「計画に不満はないが、高架化への投資が中心市街地の 活性化につながるような施策を望みたい」と話す。福井市のNPO法人「ふくい路面電車とまちづくりの会」の清水省吾・事務局長は「LRTの導入は市街地の 活性化に有効だ。一部でも導入を検討してほしい」と要望している。

高架化で撤去される
予定のえちぜん鉄道
の踏切
(福井市で。高架部分
はJR北陸線)



5.福井鉄道との相互乗り入れ  
▼相互乗り入れ増便へ えち鉄と福鉄が了承  (2008年2月23日『中日新聞』)

 福井市都市交通戦略協議会が22日、同市内で開かれ、福井鉄道福武線の路面軌道に乗り入れて南下する予定のえちぜん鉄道三国芦原線が、福井駅方面だけで なく福鉄ベル・江端駅付近まで南進するなどの方針が了承された。慎重な検討が続く両鉄道の相互乗り入れ問題も、将来像が具体化し始めた。
 福鉄に乗り入れるえちぜん鉄道の運行本数は、現行の1時間2本を3本に増便する方針。武生方面から北上する福鉄は従来の田原町駅までではなく、えち鉄に 乗り入れて新田塚・八ツ島駅付近まで運行する。相互乗り入れにより、新田塚・八ツ島〜ベル・江端間は現行1時間3本の倍増となる6本の高頻度運行になる見 通し。協議会では、えち鉄、福鉄両事業者の代表委員も方針を了承する旨の発言があった。
 一方、市の交通戦略は2007年度内にまとめる予定だったが、08年12月まで延長する方針も決定。08年度は事業化に向けた具体案を詰めていく。 (渥美龍太)


▼夏までに事業案策定 えち鉄・福鉄相互乗り入れ  (2010年3月2日 中日新聞)

 県議会は1日、本会議を再開、一般質問を行った。森近悦治総合政策部長は、福井鉄道とえちぜん鉄道の相互乗り入れについて、乗り入れ区間や運行ダイヤな どを示した事業案を夏をめどに策定する方針を明らかにした。
 野田富久氏(民主党・一志会)が事業進捗の見通しをただしたのに答えた。
 県は昨年3月に事業者や沿線市町との話し合いを始めており、森近部長は「いくつかの案に絞られてきており、夏ごろまでに事業案がまとまるよう努力した い」と説明。両事業者の採算性の検証、沿線市町の費用負担などを詰めていくとした。
 福鉄とえち鉄が結節する拠点の田原町駅には「駅舎は老朽化が著しく、相互乗り入れと合わせて改築が必要。福井市と相談して進める」と述べた。
 えち鉄を高架化して交通を円滑化する連続立体交差事業については、近藤幸次土木部長が北陸新幹線の延伸が不透明な状況を受け、2009年度末までとなっ ていた事業期間を7年間延長し、16年度末とする方針を報告した。 (渥美龍太)


▼福鉄が新田塚まで乗り入れへ 第1段階で事務局案  (2010年5月28日『中日新聞』)

 福井鉄道とえちぜん鉄道が、県などと検討していた相互の路線への乗り入れ計画について、福鉄が2013年度にも第1段階として、両鉄道が 共通使用している田原町駅から、えち鉄三国芦原線の新田塚駅まで乗り入れする見通しとなった。
 両鉄道や県、沿線市などが参加した検討会議が27日、福井市内で開かれ、県が事務局案として報告した。
 相互乗り入れをめぐっては、県や沿線市などが費用を負担して、鉄道利用者を増やす手法を検討してきた。車両の大きなえち鉄が福鉄の路線に入るには、新車 両購入が必要なため、第1段階は福鉄からの乗り入れのみ。新田塚までの4駅分2.8キロを乗り入れる。
 実施時期が未定の第2段階では、福鉄はさらに新田塚駅から5駅先の西長田駅まで乗り入れる。えち鉄は低床車両を3編成購入した上で、田原町駅から福鉄の 越前武生駅まで福鉄路線を運行し、相互の乗り入れが始まる。
 駅改修などを含めた総事業費は「試算中」(県交通まちづくり課)だが、数十億円になるとみられる。国の支援メニューを活用し、事業費の2分の1から3分 の1程度は国庫負担になると見込んでいる。
 福鉄は国や県、沿線市から10年間で55億円の支援を受ける再生計画が始まっている。 (渥美龍太)



▼えち鉄、福鉄相互乗り入れ先行 理事者、高架化切り離し推進  (2010年12月2日『福井新聞』)

 12月定例県会は2日、本会議を再開し、松井拓夫議員(自民党県政会)ら9人が一般質問した。えちぜん鉄道三国芦原線と福井鉄道福武線の相互乗り入れ について、理事者は「えち鉄高架化とは切り離し、既存の設備を活用して早期にできるところから進める」と先行実施の見解をあらためて強調した。
 松井議員の質問に対し森近悦治総合政策部長が答えた。
 相互乗り入れをめぐっては、福井市の藤岡啓太郎特命幹が11月30日の市会特別委員会で、事業化に向け「(えち鉄)高架化の方向性を明確にすることが必 要」との認識を示しており、県との見解の違いが鮮明になった。
 森近部長は答弁で「通学、通勤などの利用者の利便性向上や、公共交通機関を生かしたまちづくりのため」と述べ、えち鉄高架化に先行して相互乗り入れを実 施する意向を重ねて強調。11月29日の事業検討会議で福井市など関係者が大筋で合意した運行見直し案に基づき、沿線市町と事業手法や費用負担を協議し、 2013年度の乗り入れ開始を目指すとした。
 ただ、えち鉄三国芦原線の全線LRT(次世代型路面電車システム)化は、北陸新幹線の福井駅部を暫定的に利用するえち鉄勝山永平寺線の高架化と一体的な もので「新幹線の認可とも密接に関連する」と説明。新幹線県内延伸の認可が早期に得られるよう、最大限の努力を重ねるとした。


▼えち鉄と福武線、運賃一本化検討 県、相互乗り入れ先駆け (2011年11月9日『福 井新聞』)

 えちぜん鉄道三国芦原線と福井 鉄道福武線の相互乗り入れ計画の実現時期が不透明となる中、福井県は2012年度から先行的に両線の運賃体系を一体化できないか検討に入っている。初乗り 分の料金負担を減らすことで乗り継ぎ利用の需要を掘り起こし、乗り入れ後の利用者確保に結び付けたい考えだ。(細川善弘)
 運賃体系の一体化により、現状では両線を乗り継いだ場合に必要となる初乗り負担分(えち鉄150円、福鉄180円)が軽減される。両社の切符が買える共 通の販売機を導入し、各駅に配置することになる。定期券の割引率、往復切符の有効期間など各種サービスの要件統一も検討課題としている。
 一体的な運賃体系の導入は、県や沿線市町でつくる相互乗り入れの事業検討会議の6月の会合で、両鉄道会社が先行実施を提案していた。県交通まちづくり課 は「新たな需要を掘り起こすことができれば、乗り入れ後につながる。年度内に準備を進めたい」としている。
 相互乗り入れ計画は、駅改修などの設備投資や運行経費の新たな負担が必要となる。えち鉄の経営を支える沿線5市町にとっては収支採算性の確保が大きな課 題で、「利用者がどれほど増えるか分からず、費用対効果が見えない」(坂井市企画情報課)といった声も出ている。運賃一体化の先行実施は、乗り入れ後の収 支を見通す判断材料の一つになる可能性もある。
 県が13年度の開始を目指していた相互乗り入れ計画は、えち鉄勝山永平寺線の高架化をめぐる県と福井市の姿勢の違いがあり、関係者間の協議が滞ってい る。県は両線の結節点となる田原町駅の改修期間を考慮し、事業着手から乗り入れ開始までに約2年を要するとみている。


▼えち鉄・福鉄乗り入れ15年度開始 事業者や沿線市町などが合意  (2013年2月8日『福井新聞』)

 えちぜん鉄道三国芦原線と福井鉄道福武線の相互乗り入れについて協議する事業検討会議の第6回会合が7日、福井市の県国際交流会館で開かれた。駅舎改修 や車両導入などの総事業費19億2千万円のうち、国の補助を除いて県が10億1千万円、福井市が2億7千万円を負担すると確認した。事業者や沿線市町を含 む関係者で2013年度の工事着手、15年度の乗り入れ開始に合意した。
 相互乗り入れは、両鉄道の利便性を向上させ、市街地区間での運行頻度を増やすのが狙い。乗り入れ区間はえち鉄の鷲塚針原駅(福井市)から福鉄の越前武生 駅(越前市)まで。両線の現行ダイヤは基本的に維持した上で、乗り入れ便を1日約30本追加して運行する。
 午前6〜午後3時は鷲塚針原駅から福鉄の浅水駅(福井市)までを往復、午前9時以降は毎時1本が運行する。午後3〜7時は福井駅前を経由しながら越前武 生駅まで毎時2本を走らせる。
 工事は13年度から2年かけ、両線が連絡する田原町駅(同)では線路を接続して信号や踏切を整備。えち鉄は福大前西福井、日華化学前、八ツ島、新田塚、 鷲塚針原の各駅に低床ホームを導入し、低床車両2編成を新たに導入する。
 懸案となっていた費用負担は、総事業費から国補助を除いた額のうち、県は軌道や信号整備などの路線全体にかかわる事業、市はホーム整備など駅個別の事業 の工事費を受け持つことで合意した。車両費は県が負担する。
 ただ、従来の鉄道支援事業で県と沿線市町の負担割合を2対1としてきた慣例を踏まえ、田原町駅の周辺整備など関連事業を含めた全体費用が同様の割合にな るよう調整する。
 相互乗り入れは西川知事が1期目のマニフェストに盛り込み、県が事業化の検討を始めた。10年5月には県と沿線市町や両事業者などでつくる事業検討会議 を設置。北陸新幹線の県内延伸やえち鉄勝山永平寺線の高架化事業の進展を踏まえながら、乗り入れ区間や実施時期を調整してきた。


6.車両  
▼えち鉄が7000形車両を披露 (2013年1月31日『中日新 聞』)

 えちぜん鉄道(福井市松本上町)が7年ぶりに車両更新を始め、LED前照灯を搭載した新しい「7000形」の1編成2車両を30日、報道陣に公開した。 この車両は2月4日にデビューする。
 LED前照灯を使うのは先駆的な試み。LED化により、これまでのハロゲン式より30メートル遠い180メートル以上前方まで照らせ、寿命も10倍以上 になる。更新車両への搭載に合わせ、現在走行中の6001形、6101形の14車両もLED化している。
 7000形は、JR東海の飯田線で昨年3月まで運用していた119系を簿 価で購入して改造。2両のうち1両にモーターのない制御付随車を初導入し、動力費や保守費用が削減できるという。
 窓には紫外線と赤外線をカットする断熱フィルムを貼り、座席にクッションを付けるなどして乗り心地の改善も図った。2車両の導入費は1億3千万円。
 えちぜん鉄道は、所有する25車両のうち製造から50年以上たった10車両を2012、13年度ですべて7000形に更新し、2車両を増車する。今回が 7000形導入の第一弾で、12年度中にあと2編成4車両を更新する。
(林朋実)

新たに導入される7000形車両
=福井市のえちぜん鉄道で



表 紙に戻る