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鹿 児島市交通局
公式webサイト
http://www.kotsu-city-kagoshima.jp/

いづろ通電停付近 2006.3

▼市電西鹿児島駅前電停 11日東口広場に移設 乗り継ぎ利便性向上  (2004年1月10日『西日本新聞』)

 鹿児島市交通局の市電西鹿児島駅前電停が11日始発便から、現在の電車通り(県道)上から南側へ約100メートル移動、JR西鹿児島駅前東口広場内に移 設される。広場が工事中のため当面は仮設ホームとなるが、横断歩道を渡らなくても電停に行けるようになるため、JRや路線バスからの乗り継ぎ利便性が大幅 にアップしそうだ。

 同市交通局によると、現在は県道沿いに走っている線路が、ナポリ通りと交差する中央口交差点付近で駅側車線を斜めに横切って東口広場内に引き込まれ、新 しい電停は広場東端にある「若き薩摩の群像」の南側に設置される。移設工事は10日午後9時から開始。舗装板のはぎ取りや軌道敷設、電線の架設などを行 い、翌11日午前6時までに完了する予定。

 同市交通局では、当分の間、同電停付近に職員を配置し、乗客の案内、誘導を行う一方で、ホームページ上でも電停移設についてPRし、利用客への周知を図 る。

 同電停は、これまで横断歩道を渡らないと行けないため赤信号を無視して横断しようとする乗客が続出。そのため、2001年度に始まった東口広場整備を機 に、広場内に移設することが決まっていた。

▼鹿児島市電 鹿児島中央〜鹿児島駅間 軌道敷の緑化完成 記念式典開催  温度、騒音低下の効果 (2008年5月24日付『西日本新聞』朝刊)

 九州新幹線の全線開通をにらみ、鹿児島市が進めていた市電軌道敷の緑化事業が鹿児島中央駅‐鹿児島駅間で終了し、23日、同市内で完成記念式典を開い た。軌道敷に芝生を植栽するという全国初の事業は、ヒートアイランド現象の緩和や騒音の低減に効果があり、今後4年間で涙橋電停まで市中心部の緑化を進め る。

 市は2004年度、JR鹿児島中央駅東口広場を整備した際、軌道敷に芝生を植栽。市民に好評だったことから、06年度から緑化を進めてきた。同駅から鹿 児島駅に向け、芝生の区域を拡大。今年3月末、同駅までの区間2.8キロのうち、交差点などを除く1.9キロで植栽を終えた。この間の事業費 は3億1,500万円。

 市公園緑化課の調査では、芝生化の効果は景観上だけではなく、気温や騒音の面にも表れた。軌道敷の地表面温度は夏の晴天時で17、18℃低下。中央分離 帯では24℃も下がった。電車が通過した際の騒音レベルも、従来より最大で4デシベル小さくなった。

 市民アンケートの結果では、9割近くが「良い・賛成」と回答した。市は12年度までに6.1キロの区間を緑化する計画。総事業費は約13億円という。

 同市役所前のみなと大通公園であった式典には、森博幸市長や施工業者らが出席。森市長が業者に花束を渡し、完成を祝った。

▼大雪で繁盛 鹿児島市電・市バス利用客2割増  (2010年1月18日『南日本新聞』)

 鹿児島市で4年ぶりの大雪となった13、14日。市内の交通は大きく乱れたが、始発から運行した市交通局の市電・市バスは乗客が通常より2割以上増え た。雪に慣れていない土地柄を反映したともいえるが、公共交通の本領を発揮した格好だ。一方、乗客の積み残しが多発するなど課題もあった。

 13、14日とも団地方面の市バスはチェーンを着け始発から運行。ダイヤの乱れはあったが、朝夕は団地と市街地を結ぶ便は車通勤をあきらめた人や他社便 利用者で混雑した。

 市バスの13日の利用者は推計約4万4,000人で、雪の降らなかった12日と比べ21%増、14日は同4万5,000人で23%増。ICカードを除く 現金客は13、14日とも推計約1万3,000人と、12日の同約6,700人から倍増した。赤字と利用者減に悩む同局幹部からは「毎日、雪でもいい」と 本音も。現金収入は12日の約120万円から、13日は約236万円、14日は約231万円とほぼ倍増した。市電は13日は推計約3万7,000人で12 日と比べ23%増、14日は同約3万6,000人で22%増。現金収入は12日の約139万円から13日は68%増の約233万、14日は49%増の約 206万円だった。

▼鹿児島市・二軒茶屋踏切が開通 32年間の活動実り住民に安心感  (2010年3月18日『南日本新聞』)

 鹿児島市の市電二軒茶屋電停近くにあり、JR指宿枕崎線と市電を横断する生活道路に建設中だった新しい踏切の使用が、18日から始まった。死傷事故が相 次ぎ、地元住民の念願だった踏切設置は、32年余りの活動を経てようやく実現。早速利用した地元住民には安心感が広がった。

 現場は、宇宿1丁目と日之出町を結ぶ歩行者専用の生活道路。市やJR九州の協力もあり、別の踏切の同時廃止を伴わない、異例の新設となった。同日は午前 5時前の始発から使用が始まった。市職員や作業員が立ち会い動作を確認。設置前の習慣で、警報器が鳴っていなくても左右を確認し渡り始める人 の姿もあった。

▼本港区に路面電車 鹿児島市が新設検討 (2012 年2月16日『南日本新聞』

 鹿児島市のウオーターフロント地区。市電の「観光路線」新設が検討される 鹿児島市が鹿児島本港区への市電路線新設について、本格的な検討に着手するこ とが15日、明らかになった。ウオーターフロント地区向け観光路線との位置づけで、市は2012年度当初予算案に調査検討費用として511万円を計上。関 係機関で構成する検討委員会を発足させ、交通問題の処理、費用なども含めて、実現の可能性の高いルートを絞り込む作業に入る。

 森博幸市長は同日、新年度予算案を発表した会見の中で「新幹線全線開業効果の維持拡大のため、できるだけ早く実現したい」と強い意欲を語り、「環境負荷 の少ない電車でゆっくりと街を巡ってほしい」と期待した。

▼路面電車新路線 5案ルート絞り2014年度以降着手…鹿児島市  (2012 年3月24日『読売新聞』

 鹿児島観光活性化へ向け路面電車の新路線開設を目指している鹿児島市は、5つのルート案を明らかにした。各ルートとも種子・屋久高速船旅客ターミナル、 商業施設「ドルフィンポート」などを経由し、観光地への交通ネットワークの充実を目指す。2014年度以降の着手を見据えており、12年度は複数ルートの 組み合わせも含めて検討し、2、3ルートに絞り込む。

 市は今年度、県などの意見を聞き、たたき台として設定した9ルートの中から、利便性や回遊性に優れた5ルートを選定した。
 5ルートは、〈1〉マイアミ通B(いづろ〜市役所前)〈2〉マイアミ通A(いづろ〜桜島フェリーターミナル)〈3〉大門口通・みなと大通(いづろ〜市役 所前)〈4〉マイアミ通・鹿児島駅(いづろ〜鹿児島駅)〈5〉みなと大通B(市役所前〜高速船ターミナル)。

 このうち、〈1〉と〈3〉は周回ルート、他は高速船旅客ターミナルなどで折り返すルートとなっている。走行距離は1.2〜2.4キロで、軌道敷設やホー ム整備、車両購入費などは30億〜42億円と試算。用地補償費などは試算していない。

 市交通政策課によると、12年度は国、県などを交えた検討委員会でルートを絞り込み、13年度は市民、学識経験者らを加えた委員会で基本計画を策定。 14年度にも着手する。12年度の一般会計当初予算案に調査費として511万円を計上している。同課は「関係機関と話し合いながら、路面電車の新たな魅力 を創出できるルートを選定したい」と話している。

▼市電延伸、県提案の新ルート追加 鹿児島市検討会議 (2013年1 月28日『南日本新聞』

 鹿児島市が検討する鹿児島本港区への路面電車延伸へ向け、課題を協議する第3回検討連絡会議が28日、同市役所であった。ドルフィンポート前の「南北ふ 頭線」を通過する市提示の5ルート案に、県から、より幅が広い「本港区線」を通るルートを加えるよう提案があり、検討対象に含めることを決めた。また、市 は5ルート案の1日当たり利用者数を約1,470人〜約1,990人とする需要見通しを示した。

  県は、南北ふ頭線を通るルートについて「2車線の狭い道路であり、1車線にするか、歩道や緑地をかなりつぶさなければならない」と指摘。 「歩道などに比較的広い空間を有する本港区線を通るルートを追加してもらいたい」と提案した。

  新たなルート案の具体的な経路については今後検討し、交通や需要見通しなどのデータを準備。次回の会議で他の5ルート案と併せて協議し、絞 り込む。


▼市電新路線黒字の試算 鹿児島市検討会議 (2013 年1月29日『読売新聞』

 観光の活性化に向けて路面電車の新路線開設を検討している鹿児島市は28日、3回目の検討連絡会議を開き、検討中の5つのルート案について、最大で1日 約1,990人、年間約72万700人の利用者が見込まれるとの試算を示した。採算が取れる新規の利用者数はルートにより、1日約1,070人以上〜約 1,340人以上としており、市は「試算上、実現は可能」としている。

 市は市街地と、桜島フェリーターミナルや商業施設「ドルフィンポート」があるウオーターフロント地区を結ぶ新路線を検討。来年度に基本計画をまとめる予 定で、市、国、県などでつくる連絡会議がルートの選定を進めている。

 市は昨年10月の利用意向調査などを参考にし、5つのルート案について試算。1日約1,470〜1,990人、年間約53万6,000〜72万 7,000人の利用者が見込まれるとした。しかし、最も利用者が少ない1日約1,470人では、新規の利用者は1,000人を割り、黒字を出すのは難しい という。

 連絡会議は、県が提案する別のルート案も含めて、年度内に2、3のルート案に絞り込む方針。市交通政策課は「観光振興や採算面などを考えてルートを選定 する」としている。

▼鹿児島市、市電延伸を白紙に 県の商業施設撤去で (2013 年5月30日『日本経済新聞』

 鹿児島市の森博幸市長は29日の記者会見で、鹿児島湾のウオーターフロント地区への市電延伸計画を白紙に戻す方針を表明した。鹿児島県が同日、同地区の 商業施設の撤去を発表したためで、森市長は「年間約200万人が利用する商業施設の撤去で集客力が不透明になった」と説明。計画自体の撤回も示唆した。

 市電延伸は九州新幹線鹿児島中央駅から観光客をウオーターフロント地区に誘導するのが狙いで、市は商業施設「ドルフィンポート」や水族館に近いルートを 検討。これに対し、県は「道路が狭い」として「待った」をかけ、海岸から離れた別ルートを提案していた。

 県は29日、ドルフィンポートが立地する県有地に、2020年の鹿児島国体向けの総合体育館を建設すると発表した。ドルフィンポートは16年春をめどに 営業を終える。県は運営会社と20年6月までの定期借地契約を結んでいるが、補償金を支払い16年6月までに土地を返却してもらう。

 これを受け、森市長は会見で、市電延伸を「最初から仕切り直す」と明言。市は年内にも延伸ルートを決定し、来春までに基本計画を作る方針だったが、森市 長は「白紙撤回も含めて考えざるを得ない」と述べた。

 ウオーターフロント地区への市電延伸は森市長の3期目の公約。



 鹿児島市電の成長の限界として、路線が郊外部の住宅地まで延びていないことがあるように思う。下記の記事の通りJR鹿児島線の新駅ができるまで電車 で5分のところを車で40分かかっていたというので、軌道系交通機関の威力を実感できる。鹿児島は平野部が狭く市街地周辺の丘陵地帯に住宅地が広がってい るが、鉄道と無縁な場所も多く路面電車の路線網を整備する価値はありそうだ。
▼JR鹿児島中央〜上伊集院 「広木駅」が14日開業 中央駅まで5分で 結ぶ 住民、20年の夢叶う (2009年3月12日付『西日本新聞』朝刊)

 鹿児島市田上町のJR鹿児島線鹿児島中央〜上伊集院間に14日、「広木(ひろき)駅」が開業する。通勤通学時の交通渋滞に悩まされていた周辺住民が約 20年前から設置を要望していた同駅。2004年、市が建設費のほとんどを支出することでJR九州と合意し、建設が進んでいた。市中心部まで車で40分も かかっていたが、JRでは鹿児島中央駅まで5分で結ばれることになり、住民は喜んでいる。

 市とJR九州によると、広木駅の建設地は1万2,000人が住む「星ケ峯ニュータウン」の中心部から東に約1キロの地点。無人駅で上下線にそれぞれホー ムがあり、平日82本、土曜と休日は74本が停車する。鹿児島中央駅までの運賃は200円で、1日550人の利用を見込む。

 同ニュータウンが1976年から開発されると、人口増に道路整備が追いつかず、朝夕の渋滞が激化。最寄りの駅も約5キロ離れているため、同ニュータウン の住民は新駅の設置を求めて、91年に「広木駅新設推進協議会」を設立し、署名運動などを展開した。市も92年、JR九州に要望書を出した。

 これに対し、同社は新設の条件として建設費全額の地元負担を要求。市は拒否し、新駅構想は宙に浮いた状態となっていた。その後、総務省が両者間の調整を 図り、市が04年、建設費の9割に当たる1億7,000万円と、駐輪場などの建設費3億円を支出する案を提示。同社も同意したことで、一気に具体化し、昨 年3月に着工した。県内に新駅ができるのは、88年の指宿枕崎線慈眼寺駅(鹿児島市慈眼寺町)以来となる。

 協議会設立時から会長を務める同市五ケ別府町の福永初さん(78)は「長年の運動が実り感慨深い。住民としても駅の掃除などで協力し、使いやすい駅を目 指したい」と念願の新駅誕生にうれしそうだった。


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